日常の中の「もしも」に備える法律ノート

闇スロットで逮捕されるとどうなる?処分の流れを弁護士が解説

近年、インターネット上やSNSで「高設定スロット」や「裏スロ」などの誘いが増えています。これらの多くは、いわゆる「闇スロット」と呼ばれる違法営業のスロット店です。

「遊ぶだけなら大丈夫」と思って関わってしまうと、逮捕や重い処分を受ける可能性があります。本記事では、闇スロットがなぜ違法なのか、逮捕されるまでの流れや、その後の処分、将来への影響まで詳しく解説します。

知らなかったでは済まされない現実を知り、自分や周囲の人を守るために、正しい知識を身につけておきましょう。

目次

闇スロットに関わると逮捕される理由とは?

闇スロットに関わると逮捕されるのは、主に以下の2つの理由によります。

違法賭博(単純賭博罪)に該当するから

闇スロットは、風俗営業の許可を得ておらず、換金が行われることで「賭博」として処罰の対象となります。日本の法律では、金品を賭ける行為は基本的に禁止されており、「単純賭博罪」に該当する可能性があります。

たとえ一度だけの利用であっても、違法行為に加担したと見なされるリスクがあります。これは客側も例外ではなく、実際に現行犯で逮捕されるケースも多く見られます。

「お金をかけていない」「遊戯のつもりだった」という言い訳は通用しません。営業者だけでなく、遊んだ側も法律違反となるのが闇スロの怖いところです。

こうした理由から、警察も積極的に取り締まりを行っています。

警察が闇スロ店をマーク・摘発対象にしているから

警察は日常的に闇スロット営業の情報収集を行っており、SNSや匿名の通報などから情報を得て、摘発のタイミングをうかがっています。特に、過去に問題となった旧型機(4号機)を使った営業や、明らかな換金行為をしている店舗は摘発対象になりやすいです。

客も一緒に現行犯で逮捕されるケースが多く、逃れることは難しいと考えておくべきです。

また、摘発後のメディア報道によって、名前や顔写真が晒される可能性もゼロではありません。社会的な信用を一気に失うリスクも考慮する必要があります。

つまり、「店だけが悪い」と思って利用することは極めて危険なのです。

闇スロットで逮捕された場合の流れをわかりやすく解説

闇スロットに関与して逮捕されると、その後の流れは法律に基づいて厳格に処理されます。以下では、逮捕後の一般的な流れを紹介します。

現行犯逮捕されやすい(警察が踏み込む)

闇スロ店の摘発は、警察による踏み込み(ガサ入れ)によって行われることが多く、その場で遊んでいた客も一緒に現行犯として逮捕されるケースが多くあります。

現行犯逮捕は、裁判所の令状がなくても行えるため、警察はタイミングを見て一斉に逮捕に踏み切るのです。

このような摘発は深夜帯に行われることが多く、証拠となる現金やスロット台の記録、カメラ映像なども押収されます。

突然の逮捕に驚いても、取り返しがつかないことになるのが現実です。

逮捕後48時間以内に検察へ送致される

警察に逮捕された後は、最大48時間以内に検察へと送致されます。この間に警察が行うのは、事情聴取や証拠の確認です。

黙秘権はありますが、供述が重要な判断材料となるため、話す内容には注意が必要です。

送致後、検察官が身柄拘束を続けるべきかどうかを判断し、裁判所に勾留請求を行います。

この段階で不起訴となれば釈放される場合もありますが、たいていの場合は勾留が続くことになります。

検察が勾留を請求し、最大20日勾留されるから

検察が勾留を請求すると、裁判所が認めた場合は最初に最大10日間の勾留が認められます。そして必要があると判断されれば、さらに10日間の延長が可能です。つまり、最大で20日間、警察署などの留置施設に拘束されることになります。

この期間中にも取調べや証拠収集が行われ、事件の重大性や常習性などが細かく調査されます。

勾留中の生活は自由が制限され、家族や仕事への影響も大きくなります。会社への説明が必要となったり、精神的な負担も少なくありません。

勾留は刑事手続きの一部ですが、実質的には強いプレッシャーをかける手段とも言えるでしょう。

起訴・不起訴は23日以内に決まる

逮捕から起訴・不起訴の判断までは、最長で23日以内に決定されます。これを超えると、法律上の拘束はできなくなります。

この間に検察は「裁判にかけるべきかどうか」を見極めるため、あらゆる角度から判断します。

本人の供述や反省の有無、前科の有無、被害の大きさ、常習性、家族の協力体制などがポイントになります。

不起訴となれば前科は付きませんが、起訴された場合は正式に裁判が行われることになります。

起訴された後は、執行猶予付きの判決を求めるか、無罪を主張するかなど、弁護士との連携が不可欠です。

闇スロットによる逮捕後に受ける処分とは?

逮捕された後には、その違法性の度合いや本人の態度によってさまざまな処分が下されます。ここでは主な処分内容について解説します。

罰金または懲役(賭博罪の刑罰)を科される

日本の刑法では、賭博行為に対して次のような罰則が定められています。

「単純賭博罪」は50万円以下の罰金または科料、「常習賭博罪」は3年以下の懲役です。

一度だけ遊んだ程度であれば単純賭博に該当し、略式起訴で罰金刑が科されることが多いです。ただし、繰り返し遊んでいたり、店側と通じていた場合は重く見られます。

また、店舗運営者や設置者である場合は、風営法違反や組織犯罪処罰法の対象となることもあります。

常習性があれば実刑の可能性が高くなる

同じような違反を繰り返していた場合、「常習性あり」と判断され、単純賭博よりも重い処分が下されます。

常習賭博罪に該当すると、懲役刑が適用され、実刑判決が下る可能性も否定できません。

特に、過去にも賭博で検挙歴がある人や、調査で頻繁に通っていた証拠が見つかった場合は、裁判官の判断も厳しくなります。

このように、何度も関与してしまうことは、処罰の重さに直結するリスクがあるのです。

執行猶予が付きやすい(初犯・反省なら)

一方で、初犯であり、深く反省している様子が見られる場合は、執行猶予が付く可能性が高くなります。

執行猶予とは、「有罪判決を受けても、一定期間内に再犯しなければ服役を免れる制度」です。

これによって実刑を免れ、社会生活に戻ることが可能になります。

ただし、執行猶予中に再び賭博行為を行った場合は、猶予が取り消されて服役となるため、二度と同じ過ちを繰り返さない覚悟が必要です。

闇スロットの逮捕歴が将来に与える影響

逮捕されて処罰を受けた後も、その影響は長く続きます。特に社会的信用や将来の選択肢に大きく関わるため、注意が必要です。

就職・転職に不利になる可能性がある

逮捕歴や前科は、企業の採用選考で非常に不利になることがあります。特に金融、教育、行政関連の職種では、過去の違法行為に厳しい姿勢を持つ企業が多く見られます。

また、正社員登用や昇進の際に身元調査が行われるケースもあり、そこで過去の逮捕歴が発覚すると不採用・不合格となることもあるのです。

たとえ罰金刑だけだったとしても、「法律を守れない人物」と判断されるリスクは避けられません。

これは将来のキャリア形成にとって大きな障害となり得ます。

資格取得や公的手続きで制限される場合がある

日本には、一定の犯罪歴があると取得できない、または登録が制限される資格があります。例えば、警備業や不動産業、士業(弁護士・税理士・行政書士など)、保育士や介護士などが該当します。

これらの職業では「欠格事由」として刑事罰の有無がチェックされるため、闇スロットでの前科が大きく影響します。

また、官公庁への入札や助成金申請など、公的な手続きの中でも過去の犯罪歴が問われるケースは少なくありません。

知らずに申請し、後から発覚してトラブルになるケースもあるため、十分に注意すべき点です。

社会的信用を失いやすく、人間関係に影響が出る

逮捕歴や前科があると、友人や家族、職場の同僚など、周囲の人間関係にも大きな影響を与える可能性があります。

たとえ処罰を終えて社会復帰しても、「前科がある人」というレッテルを貼られがちで、信頼を回復するのは簡単ではありません。

家族や恋人に心配をかけるだけでなく、結婚や住宅ローンなど、将来設計にも影響を及ぼすことがあります。

特にインターネット上で実名報道された場合、その情報が半永久的に残るため、消すのが難しくなります。

闇スロットで逮捕されないための注意点

自分が逮捕されるリスクを避けるためには、何よりもまず「関わらない」ことが最善の防止策です。以下に挙げる点に注意し、日常生活の中で意識しましょう。

誘いには乗らず、知らない場所には近づかない

知人やSNSでの「儲かる」「設定6が打てる」などの誘い文句には、決して乗らないようにしましょう。

闇スロット店は、基本的に場所が公開されておらず、紹介制や秘密の入り口などを装って客を誘います。

こうした店舗の多くは、違法営業である可能性が極めて高く、利用した瞬間に逮捕の対象になります。

「一回だけ」「ちょっとだけ」と思っても、踏み入れた時点でアウトです。

旧型の「4号機」を使う店は特に危険

現在では設置が禁止されている「4号機」と呼ばれる旧型スロット機を使用している店舗は、違法営業の可能性が非常に高いです。

4号機は高い出玉性能を持つ反面、規制の対象となっており、正規店では設置されていません。

このような台を置いている時点で、法令違反が疑われ、警察のターゲットになる可能性も高まります。

見た目ではわかりにくい場合もあるため、怪しいと感じた時点で利用を避けるべきです。

呼び込みや怪しいSNS広告には要注意

最近では、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを使って「裏スロ」「高設定確定」などと宣伝する投稿が増えています。

こうした投稿の多くは闇スロットへの勧誘であり、違法営業へと誘導する危険なものです。

特に、「DMで詳細を送ります」などの非公開手段で情報を送ってくるケースは要注意です。運営者は身元を隠して活動しているため、問題が起きても責任を取ることはありません。

また、フォロワー数が多かったり、実績を装ったスクリーンショットなどを用いて信頼させようとする手口もあります。

見た目に騙されず、危険な誘いには絶対に乗らないことが大切です。

ギャンブル依存の兆候があれば、早めに相談

「やめたいのにやめられない」「勝てるまで通い続けてしまう」といった兆候がある場合、ギャンブル依存症の可能性があります。

依存症は意思の弱さではなく、脳の仕組みによる病気として国際的にも認識されています。そのため、専門機関への相談や治療が効果的です。

日本国内には、精神保健福祉センターやギャンブル依存症対策を行うNPOなどがあり、匿名での相談も可能です。

周囲の人が気づいた場合も、責めるのではなく、相談機関へ導くなどのサポートが求められます。

闇スロットと逮捕に関するよくある質問

ここでは、読者から寄せられやすい疑問について、簡潔に回答します。

客も逮捕されるの?→現行犯なら逮捕される

闇スロットで遊んでいる最中に警察が踏み込めば、客も現行犯逮捕される可能性が非常に高いです。

「遊んでいるだけ」「知らなかった」は通用せず、換金行為や違法営業の現場にいたことが証拠となります。

実際に、闇スロットの摘発ニュースを見ると、運営者だけでなく客も一緒に送検されているケースが目立ちます。

遊ぶだけでも犯罪になるという認識をしっかり持ちましょう。

逮捕されない方法ってある?→自首や弁護士同行が有効な場合がある

もし自分が関与してしまった場合、早期に弁護士に相談することが重要です。適切なタイミングで自首することで、情状酌量が認められる可能性があります。

また、取り調べの際に弁護士が同席すれば、誤解による供述や不利な発言を避けることができます。

逮捕される前に動けるかどうかが、その後の処分に大きく影響することもあるのです。

何もしないままでは最悪の結果を招くこともあるため、勇気を出して行動することが大切です。

逮捕されてすぐ釈放される?→在宅捜査や釈放も可能

場合によっては、逮捕後すぐに釈放され、在宅捜査に切り替わるケースもあります。

証拠隠滅や逃亡の恐れがないと判断されれば、勾留されずに自宅で待機するよう指示されることがあります。

ただし、在宅だからといって安心はできず、その後も取調べや書類送検が続くため、誠実に対応することが求められます。

弁護士の助言を受けながら、適切に対応することが再犯防止にもつながります。

まとめ|闇スロットと逮捕の関係と処分の流れを正しく理解しよう

闇スロットは、「普通のパチスロより儲かる」と思わせる巧妙な手口で、多くの人を違法な世界へ引き込もうとします。しかし、その代償は非常に大きく、逮捕・罰金・前科・将来への悪影響と、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。

この記事で解説したように、闇スロットは警察の摘発対象であり、客側も例外ではありません。逮捕された場合の流れや処分、社会的影響は想像以上に重いものです。

自分の身を守るためにも、怪しい誘いや広告には絶対に近づかず、疑わしい場合は専門機関に相談することが何よりも大切です。

軽い気持ちで一歩踏み込んでしまえば、人生を大きく狂わせる結果になるかもしれません。今一度、危険性と向き合い、正しい選択をしていきましょう。

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