日常の中の「もしも」に備える法律ノート

覚せい剤で逮捕されたときの流れと家族が取るべき対応を徹底解説

覚せい剤で逮捕されると、本人だけでなく家族にも大きな影響が及びます。突然の逮捕にどう対応すればいいのか、どんな手続きが進むのかを正しく理解しておくことが大切です。

この記事では、覚せい剤で逮捕された場合の流れや勾留・起訴の仕組み、保釈の条件、家族のサポート方法までをわかりやすく解説します。法律の知識がなくても理解できるよう、実際の事例を交えながら丁寧に説明します。

「もし家族が逮捕されたらどうする?」という不安を少しでも減らすために、今のうちに知識を身につけておきましょう。

覚せい剤で逮捕されるとどうなる?逮捕後の流れを解説

覚せい剤取締法違反で逮捕されると、まず警察に連行され取り調べが行われます。その後、検察官への送致や勾留の判断が進み、最終的には起訴または不起訴の決定が下されます。

逮捕される3つのパターン(現行犯・通常逮捕・緊急逮捕)

覚せい剤事件で逮捕される場合、大きく分けて「現行犯逮捕」「通常逮捕」「緊急逮捕」の3つがあります。

まず現行犯逮捕は、まさに使用や所持の現場で警察官に見つかった場合に行われます。この場合、令状は不要で、その場で身柄が拘束されます。

次に通常逮捕は、警察が事前に証拠を集め、裁判所から「逮捕状」を取得したうえで行うものです。突然自宅や職場に警察が来るケースもあります。

最後に緊急逮捕は、覚せい剤の使用や所持の証拠が明確で、逃亡や証拠隠滅の恐れがあるときに、令状が間に合わない場合に行われます。後から令状が発行される流れです。

逮捕から検察庁送致までの時間的流れ

逮捕後、被疑者は警察署で取り調べを受けます。この段階で最大48時間、身柄を拘束することが可能です。

48時間以内に警察は事件を検察庁へ送致しなければなりません。これを「送検」と呼びます。

送致後、検察官はさらに24時間以内に「勾留請求」をするか、釈放するかを判断します。つまり、逮捕から最長72時間以内に今後の処遇が決まるのです。

この72時間のあいだにどのように対応するかが、その後の勾留や起訴の可能性を大きく左右します。

身柄拘束(勾留)になる仕組みとその期間

検察官が勾留を請求し、裁判官が認めると、被疑者はさらに最大10日間勾留されます。この期間は延長されることもあり、最長で20日間になることがあります。

勾留中は基本的に警察署の留置場で生活します。取調べや弁護士との接見、家族との面会などが行われますが、事件の内容によっては面会が制限される場合もあります。

覚せい剤事件では証拠隠滅の恐れが高いと判断されやすく、勾留が認められるケースが多い点に注意が必要です。

勾留期間中に弁護士が動けるかどうかが、その後の起訴・不起訴の分かれ道になることも少なくありません。

起訴・不起訴の判断とは何か

勾留が終わると、検察官が「起訴」するか「不起訴」にするかを決めます。起訴されると裁判が行われ、判決が確定するまで被告人という立場になります。

一方、証拠が不十分だったり、社会的影響を考慮した場合には「不起訴」になることもあります。この場合、前科はつきません。

ただし、覚せい剤事件では使用の痕跡が尿検査などで明確に出るため、不起訴になるのはまれです。

起訴後は保釈申請や執行猶予の可能性を探る段階に入ります。ここで弁護士の力量が試されるといえるでしょう。

覚せい剤で逮捕されたときにすぐやるべきこと

逮捕された直後は、冷静な判断が難しくなります。しかし、最初の対応を誤ると後の結果に大きく影響します。

黙秘・弁護士との接見を確保する

逮捕直後は取り調べで警察からさまざまな質問を受けますが、焦って話す必要はありません。法律上、被疑者には黙秘権があります。

不利な供述をしてしまうと、後から撤回するのが難しくなります。まずは弁護士に連絡を取り、今後の方針を相談することが最優先です。

警察の取調べ中でも「弁護士と話したい」と明確に伝えれば、接見の権利を行使できます。弁護士がつくことで、取調べの進め方も大きく変わります。

弁護士はあなたの味方であり、事件を有利に導くための唯一の専門家です。早い段階で相談することが、最も重要な一歩といえるでしょう。

捜索や差押えに対応するための準備

覚せい剤事件では、逮捕後すぐに警察が自宅や職場などを捜索し、証拠品を押収する「差押え」が行われます。この手続きは、裁判所の発行する「捜索差押令状」に基づいて実施されます。

捜索時は、令状の内容(住所・目的物・対象者など)を確認しましょう。もし令状の範囲外のものを押収しようとする場合は、冷静にその点を指摘することが大切です。

また、捜索の様子は後に弁護士が確認できるよう、家族が立ち会い、可能であれば押収リストのコピーを保管しておきましょう。

ただし、警察の指示に逆らうような態度をとると「妨害」と見なされるおそれがあります。あくまで協力的な姿勢を保ちながら、自分の権利を守る意識を持つことが重要です。

身元連絡・家族への通知を考えるタイミング

覚せい剤で逮捕された場合、本人は原則として外部との連絡が制限されます。そのため、家族に連絡が入るのは、警察や弁護士を通じて行われるケースが多いです。

警察から家族への連絡は義務ではなく、本人が「家族に連絡してほしい」と希望を伝えない限り通知されない場合もあります。

したがって、逮捕直後に弁護士へ依頼し、弁護士から家族へ状況を伝えてもらう流れを作ることが重要です。家族はパニックになりがちですが、まずは弁護士を介して冷静に状況を確認しましょう。

弁護士が間に入ることで、家族が警察署に押しかけてトラブルになるのを防ぐこともできます。逮捕からの数時間が今後の対応を分けるといっても過言ではありません。

証拠隠滅・虚偽供述を避けるために注意すべき点

覚せい剤事件では、本人が焦って虚偽の供述をしたり、他人に証拠を隠してもらおうとするケースがあります。しかし、これは非常に危険です。

虚偽の供述は「供述の信用性」を失わせ、後の裁判で大きな不利になる可能性があります。警察や検察は、供述内容の矛盾を厳しくチェックしており、一度でも嘘をつけば信用を失います。

また、証拠隠滅を他人に依頼すると、その人まで罪に問われることもあります。身近な人を巻き込まないためにも、正直に弁護士へ状況を話し、正しい対応を相談することが何より大切です。

弁護士は依頼人の守秘義務を持っているため、安心してすべてを話すことができます。焦って行動せず、法的な助言を受けながら冷静に進めましょう。

弁護士への相談が重要な理由と選び方のポイント

覚せい剤事件では、弁護士への相談が事件の結果を大きく左右します。逮捕直後から専門的なアドバイスを受けることで、勾留の回避や不起訴の可能性を高めることができます。

なぜ弁護士相談が事件の流れを左右するのか

弁護士は、逮捕後の被疑者の権利を守り、違法な取調べや不当な勾留を防ぐ役割を持っています。警察や検察とのやり取りに慣れているため、どのような発言が有利かを的確に指導できます。

特に覚せい剤事件の場合、尿検査や押収品の鑑定など、科学的な証拠が多く関わります。弁護士が早期に介入すれば、証拠の扱い方や取調べ記録の確認などを通じて、不当な点を指摘することも可能です。

早期の弁護士相談によって「勾留請求の却下」「不起訴」「執行猶予付き判決」などの結果につながるケースも少なくありません。

一方で、何もせずに時間が過ぎてしまうと、状況を挽回するのは難しくなります。したがって、逮捕の知らせを受けたら、家族はすぐに弁護士を探すことが重要です。

薬物事件に強い弁護士の条件(実績・専門性)

弁護士にも得意分野があり、すべての弁護士が薬物事件に詳しいわけではありません。選ぶ際には、以下の3つのポイントを確認するとよいでしょう。

第一に薬物事件の解決実績が豊富であること。実際に覚せい剤取締法違反の案件をどれだけ扱ってきたかが重要です。

第二に刑事弁護に特化していること。離婚や相続などをメインに扱う弁護士より、刑事専門の弁護士の方がスピーディーに動けます。

第三に接見スピード。逮捕から24時間以内に面会に行ける体制がある弁護士事務所なら安心です。家族にとっても早期の情報共有が可能になります。

相談時に確認すべき料金・報酬体系

弁護士に依頼する際は、料金体系を事前にしっかり確認しておくことが大切です。薬物事件の場合、一般的な相場は以下のようになります。

着手金が30万〜50万円、成功報酬が20万〜50万円程度というのが目安です。保釈や不起訴など、成果によって報酬が変わることもあります。

最近では分割払いに対応する法律事務所も増えていますので、金銭的な不安がある場合も諦めずに相談してみましょう。

また、無料相談を設けている事務所もあります。まずは初回相談で状況を説明し、信頼できるかどうかを見極めることが重要です。

無料相談を活用するための準備事項

無料相談を効果的に活用するには、事前の準備が欠かせません。弁護士に正確な情報を伝えることで、より的確なアドバイスを受けることができます。

準備しておくべき情報としては、逮捕日時・警察署名・罪名・接見可能かどうか・家族が知っている範囲の事実関係などです。

また、相談中は感情的にならず、「今後どうすれば早く釈放されるのか」「不起訴の可能性はあるか」など、目的を明確にしておくと良いでしょう。

弁護士相談は早ければ早いほど意味があります。迷ったら、まずは無料相談を受けて行動に移すことが大切です。

家族が覚せい剤で逮捕されたときの対応方法

突然の逮捕は家族にとっても大きな衝撃です。しかし、冷静に対応することで、本人を支えることができます。ここでは家族が知っておくべき基本的な流れとサポートのポイントを解説します。

まず家族として知っておくべき「逮捕後の手続き」

覚せい剤事件で逮捕された後、まず行われるのが取り調べと送致です。家族はどの警察署に身柄があるのか、弁護士が接見できるのかを確認しましょう。

弁護士がついていれば、家族に代わって警察署や検察庁とやり取りしてくれます。また、勾留が決まるまでの72時間は非常に重要な期間で、弁護士の対応次第で釈放の可能性も出てきます。

家族が直接取調室に連絡したり、警察署に押しかけることは避けましょう。家族ができる最善の行動は、早急に弁護士を通じて情報を得ることです。

また、被疑者の人権を尊重し、感情的にならないようにすることも大切です。落ち着いて、専門家と連携しながら進めていく姿勢が求められます。

面会・差し入れの可否と注意点

勾留中の被疑者とは、家族であっても自由に面会できるわけではありません。覚せい剤事件のような刑事事件では、証拠隠滅を防ぐ目的で面会禁止の措置が取られることがよくあります。

この面会禁止が解除されるまでの期間は、事件の進行状況によって異なりますが、一般的には数日から数週間に及ぶことがあります。その間、家族は直接本人と話すことができません。

ただし、弁護士であれば面会禁止中でも「接見交通権」を利用して本人と面会できます。弁護士を通じて家族のメッセージを伝えてもらうことが可能です。

差し入れについては、警察署ごとにルールが異なりますが、日用品(下着・タオル・歯ブラシなど)や現金の差し入れは認められる場合があります。事前に警察署へ問い合わせ、持ち込み可能な品目を確認しましょう。

家族が支援できる「出廷前・保釈後」のサポート

裁判が始まるまでの期間、家族ができる支援は限られていますが、精神的なサポートはとても大きな意味を持ちます。被告人にとって、家族の存在は社会復帰への希望そのものです。

出廷前にできることは、弁護士と連携し、本人の反省文や誓約書の作成を支援することです。「二度と覚せい剤に手を出さない」という意思を形にすることが、裁判所の印象を良くする要素になります。

保釈が認められた場合は、社会生活への復帰を支援する体制を整えましょう。住居の確保や職場復帰の相談、治療プログラムへの参加など、家族が支援できる範囲は多岐にわたります。

特に薬物依存症の場合は、医療機関や更生支援団体との連携が欠かせません。家族だけで抱え込まず、外部の専門機関を頼る勇気を持ちましょう。

家族自身のメンタルケア・相談窓口の紹介

家族が覚せい剤事件に直面すると、強いストレスや孤立感に襲われることがあります。「周囲に相談できない」「恥ずかしい」という気持ちから、誰にも話せなくなるケースも多いです。

しかし、家族自身のメンタルケアはとても重要です。心身が疲弊してしまうと、結果的に本人を支えきれなくなります。自治体や専門団体が設置している相談窓口を積極的に利用しましょう。

たとえば、全国的に活動している「ダルク(DARC)」は、薬物依存からの回復を支援する民間団体で、家族向けの相談会も行っています。また、「法テラス」では無料の法律相談が可能です。

覚せい剤事件は「家族の問題」でもあります。罪を責めるだけでなく、回復へのプロセスを共に歩む姿勢が求められるのではないでしょうか。

保釈や勾留中の生活について知っておくべきこと

逮捕や勾留が続くと、本人の生活や仕事、家族の経済的負担にも大きな影響が出ます。ここでは、保釈や勾留中の生活の実態、そして在宅捜査の可能性について解説します。

保釈とは何か/保釈金の目安(例:150~200万円)

保釈とは、起訴後に裁判が始まるまでの間、保釈金を納めることで一時的に身柄を解放してもらう制度です。覚せい剤事件の場合、保釈金の目安は150万円〜200万円前後といわれています。

保釈が認められる条件は、逃亡や証拠隠滅の恐れがないことが前提です。初犯や反省の姿勢が見られる場合は、保釈が通るケースもあります。

保釈金は裁判終了後に返還されるため、実質的には一時的な預け金のようなものです。ただし、裁判期日に出廷しなかったり、再び犯罪を犯した場合は没収されるため注意が必要です。

弁護士が提出する「保釈請求書」の内容やタイミングが結果を左右することもあるため、保釈を希望する際は専門の弁護士に相談しましょう。

勾留中の面会禁止や取調べ対応のポイント

勾留中の生活は厳しく制限されています。1日の大半は取調べに費やされ、自由時間や面会時間も限られています。特に覚せい剤事件では、共犯関係の有無や入手経路などを徹底的に調べられます。

取調べでは、警察官が誘導的な質問をしてくることもあります。ここで無理に自白させられないよう注意することが重要です。供述内容は後の裁判で証拠として使われるため、慎重に対応しましょう。

また、面会禁止中は家族が会えないため、精神的に孤立しやすい状況になります。この期間をどう乗り越えるかが、本人の心理状態に大きく影響します。

弁護士が定期的に接見し、被疑者の精神的な支えになることが非常に重要です。家族も弁護士を通じてメッセージを届けるなど、間接的な支援を続けましょう。

被拘禁中の生活実態と準備しておくべきこと

留置場や拘置所での生活は、一般の人が想像する以上に厳しい環境です。1日のスケジュールが細かく決められており、食事や就寝時間も規則正しく管理されます。

差し入れが可能な場合は、現金・衣類・文房具など、生活に必要な最低限の物品を届けることができます。ただし、物によっては持ち込みが制限されているため、事前確認が欠かせません。

また、覚せい剤使用の後遺症による禁断症状が出ることもあります。体調不良を訴えた場合、医療機関の受診が必要となる場合もあるため、弁護士を通じて適切な対応を求めましょう。

家族は、被拘禁中の本人の状況を想像し、できる限りのサポートを考えることが大切です。「孤立させないこと」こそが再犯防止への第一歩ではないでしょうか。

在宅捜査になるケースとそのメリット・デメリット

すべての覚せい剤事件が身柄拘束されるわけではありません。証拠が揃っており、逃亡や証拠隠滅の恐れがない場合は、「在宅捜査」となることもあります。

在宅捜査の場合、逮捕されずに通常の生活を送りながら、警察や検察の呼び出しに応じる形で捜査が進みます。これは精神的にも肉体的にも負担が軽い点がメリットです。

しかし、デメリットもあります。警察から突然呼び出されることや、捜査期間が長期化すること、社会的な不安が続くことなどです。

在宅捜査であっても、弁護士を早期に選任し、取調べの立ち会いを依頼することが重要です。事件の内容や本人の状況に応じた最善の対応を計画的に進めましょう。

初犯・再犯で変わる覚せい剤事件の刑罰と量刑の違い

覚せい剤事件では、同じ罪名でも「初犯か再犯か」によって刑罰の重さが大きく異なります。初犯であっても社会的影響は非常に大きく、再犯になると実刑を免れないケースも少なくありません。

ここでは、覚せい剤の所持・使用・譲渡・営利目的といった行為別の法定刑、そして裁判所がどのような点を重視して量刑を決めるのかを解説します。

所持・使用・譲渡・営利目的それぞれの法定刑

覚せい剤取締法における犯罪行為は、大きく分けて「使用」「所持」「譲渡」「譲受」「営利目的」に分類されます。それぞれに法定刑が定められています。

使用・所持の場合は、10年以下の懲役が科せられる可能性があります。初犯であれば執行猶予が付くこともありますが、再犯では実刑が基本です。

譲渡や譲受(他人に渡す・もらう行為)はさらに重く、10年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。営利目的があると見なされれば、懲役1年以上の実刑がほぼ確実です。

営利目的の所持・譲渡・輸入・製造などは最も重い罪で、懲役20年以下、罰金500万円以下という非常に厳しい刑罰が科せられます。

初犯と再犯で裁判所が重視するポイントの違い

初犯の場合、裁判所は「更生の可能性」を重視します。反省の態度、家族の支援体制、再犯防止のための環境(仕事・治療・誓約書など)が整っているかが大きなポイントです。

一方、再犯の場合は「社会に与える影響」や「依存症の程度」が判断基準になります。過去に執行猶予を受けているにもかかわらず再び手を出した場合、厳しい判決が下される傾向があります。

特に、覚せい剤は再犯率が高い犯罪の一つであり、裁判官は本人の反省だけでなく、環境改善の有無を重視します。家族や支援団体の協力があることを示すことが重要です。

再犯者でも、更生プログラムへの参加や治療に真剣に取り組んでいる場合は、情状酌量される可能性があります。弁護士と連携し、誠実な姿勢を示すことが再スタートの鍵となります。

執行猶予付き判決と実刑判決の見通し

初犯であっても、自白や反省が見られない場合や、覚せい剤の量が多い場合には、実刑判決となることもあります。しかし、一般的には初犯かつ単純所持・使用であれば、執行猶予が付くケースが多いです。

執行猶予付き判決とは、一定期間刑の執行を猶予するもので、その間に再犯がなければ刑の効力が消滅します。つまり、刑務所に行かずに社会生活を続けられる制度です。

執行猶予中に再犯を犯すと、前回の猶予が取り消されて両方の刑を受けることになるため、非常に重い結果となります。

一方で、再犯や営利目的の所持・使用などの場合は、ほとんどが実刑判決となります。実刑になると刑務所での服役が確定し、社会復帰までに数年を要することもあります。

前科がつくと社会生活にどう影響するか

覚せい剤事件有罪判決を受けると、たとえ執行猶予付きでも「前科」がつきます。前科があると、就職や転職、資格取得などに影響することがあります。

たとえば、警備業や運送業などの職種では、一定期間前科がある人の採用を制限している場合があります。また、海外旅行やビザ申請にも支障をきたすケースがあります。

社会的信用を取り戻すには、時間と努力が必要です。しかし、反省と更生への姿勢を継続することで、再び社会に受け入れられる道はあります。

家族や周囲の理解を得ながら、治療や社会復帰支援を受け続けることが、再出発への近道になるでしょう。

覚せい剤で逮捕された場合にやるべきことと今後の対応策のまとめ

覚せい剤で逮捕されたとき、最も重要なのは「冷静に、正しい手順で対応すること」です。感情的な行動や誤った判断は、事態を悪化させる可能性があります。

まず、弁護士への早期相談が不可欠です。逮捕後すぐに弁護士を選任し、黙秘権を行使しながら今後の方針を立てましょう。弁護士は勾留請求の回避や保釈の申立てなど、法的にできる限りのサポートを行います。

家族は、本人の状況を把握しながら、冷静に行動することが求められます。感情的に責めるよりも、「再び社会に戻るために何ができるか」を考える姿勢が大切です。

また、薬物依存が背景にある場合は、治療や更生支援を受けることが再犯防止につながります。医療機関やダルクなどの団体と連携し、継続的なサポート体制を整えましょう。

覚せい剤事件は「終わり」ではなく、「やり直しの始まり」でもあります。家族と専門家が協力し、一歩ずつ更生への道を歩んでいくことが何より重要ではないでしょうか。

最後に、万が一に備えて、法テラスや刑事事件専門の弁護士事務所の連絡先を控えておくと安心です。突然のトラブルにも迅速に対応できるよう、日頃から備えておくことをおすすめします。