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執行猶予中に再犯するとどうなる?取り消しの条件や刑罰をわかりやすく解説

ニュースなどで「執行猶予付き判決」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。執行猶予とは、有罪判決を受けてもすぐに刑務所へ入るわけではなく、一定期間社会の中で生活しながら更生の機会を与えられる制度です。

しかし、その期間中に再び犯罪をしてしまった場合、「執行猶予はどうなるのか」「すぐに刑務所に入るのか」といった疑問を持つ人も少なくありません。実際には、再犯の内容裁判の結果によって大きく扱いが変わります。

この記事では、執行猶予の基本的な仕組みから、執行猶予中に再犯した場合の流れ取り消しになる条件までをわかりやすく解説します。法律の専門知識がない人でも理解できるよう、できるだけやさしい言葉で説明していきます。

執行猶予とは?基本の仕組みをわかりやすく解説

まずは執行猶予という制度の基本から理解しておきましょう。執行猶予は、日本の刑事裁判において更生の機会を与えるために設けられている制度です。

ここでは、執行猶予の意味や期間、条件などの基本的な仕組みについて解説します。

執行猶予は有罪判決でも一定期間刑務所に入らなくてよい制度

執行猶予とは、裁判で有罪判決を受けた場合でも、すぐに刑務所に入ることを猶予(ゆうよ)する制度です。つまり、罪がなかったわけではなく、あくまで有罪判決は確定しているという点が大きな特徴です。

たとえば「懲役1年、執行猶予3年」という判決が出た場合、すぐに刑務所に入るのではなく、3年間社会の中で生活することが認められます。この期間中に問題を起こさなければ、刑務所に入る必要はなくなります。

この制度の目的は、犯罪をした人でも社会の中反省し、更生できる可能性がある場合に、すぐに刑務所へ入れるのではなく社会復帰のチャンスを与えることにあります。

ただし、執行猶予は無条件で自由に生活できるわけではありません。期間中に再び犯罪をしてしまうと、執行猶予が取り消される可能性があります。

執行猶予が付く主な条件は刑期3年以下などの要件がある

執行猶予は、どんな事件でも付くわけではありません。法律では、執行猶予が認められるための条件が定められています。

代表的な条件として、判決の刑が3年以下の懲役または禁錮、もしくは50万円以下の罰金であることが挙げられます。この範囲を超える重い刑の場合、基本的に執行猶予は付きません。

また、も重要なポイントになります。過去に重大な犯罪で刑務所に入ったことがある場合などは、再び執行猶予が付く可能性は低くなる傾向があります。

裁判所は、事件の内容だけでなく、被告人の反省の態度生活環境再犯の可能性なども総合的に判断します。つまり、本当に更生できるかどうかが大きな判断基準になるのです。

執行猶予の期間は一般的に1年から5年

執行猶予には必ず期間が定められます。一般的には1年から5年の範囲で設定されることが多いでしょう。

たとえば「懲役2年、執行猶予4年」という判決の場合、4年間の執行猶予期間が設けられます。この期間中に問題を起こさなければ、刑務所に入ることはありません。

期間の長さは、犯罪の内容反省の程度などによって変わります。比較的軽い事件の場合は短い期間、再犯の可能性があると判断された場合は長い期間が設定されることがあります。

執行猶予期間は、単なる「待機期間」ではありません。裁判所から与えられた更生のための試験期間ともいえるでしょう。この期間中に社会のルールを守り、真面目に生活していくことが重要になります。

保護観察付き執行猶予とは何か

執行猶予には「保護観察付き執行猶予」と呼ばれるものがあります。これは、執行猶予期間中に保護観察官や保護司の指導を受けながら生活する制度です。

通常の執行猶予では、特別な監督がない場合もあります。しかし保護観察付きの場合、定期的に面談を行い、生活状況の報告などを求められることがあります。

たとえば、仕事をしているか生活が安定しているか再び犯罪に関わる可能性がないかなどを確認されます。問題がある場合には、指導や助言が行われます。

また、引っ越しをする場合や長期間の旅行などについても、事前に報告許可が必要になることがあります。これは、再犯を防ぐための仕組みといえるでしょう。

つまり保護観察付き執行猶予は、社会の中更生するために専門家のサポートを受けながら生活する制度ともいえます。決して自由放任ではなく、社会復帰を支える仕組みが整えられているのです。

執行猶予期間が満了すると刑の執行は免除される

執行猶予の最も大きな特徴は、期間を問題なく過ごせば刑の執行が免除される点です。つまり、刑務所に入る必要がなくなるということです。

たとえば「懲役1年、執行猶予3年」という判決を受けた場合、3年間の執行猶予期間を無事に過ごせば、懲役1年の刑は実際には執行されません。

これは法律上「刑の言い渡しの効力が失われる」とされ、刑務所に入る義務がなくなります。ただし、犯罪をした事実が消えるわけではありません。前科として記録は残るため、将来の裁判などでは不利に働く可能性があります。とはいえ、刑務所に入らず社会生活を続けられる点は大きな違いです。

そのため執行猶予期間は、人生を立て直すための大切なチャンスともいえるでしょう。多くの人にとって、この期間をどう過ごすかがその後の人生を大きく左右します。

執行猶予中に再犯するとどうなる?逮捕された場合の流れ

執行猶予中に再び犯罪をしてしまった場合、通常の事件と同じように刑事手続きが進みます。ただし、執行猶予中という状況は裁判で大きく影響します。

ここでは、再犯が起きた場合にどのような流れで手続きが進むのかを順番に見ていきましょう。

警察に逮捕または事情聴取を受ける可能性がある

執行猶予中であっても、新たに犯罪の疑いがあれば警察の捜査が行われます。事件の内容によっては、その場で逮捕される可能性があります。

ただし、すべてのケースで逮捕されるわけではありません。証拠が十分にそろっている場合や逃亡のおそれがない場合には、在宅事件として事情聴取だけで進むこともあります。事情聴取では、警察から事件の内容について詳しく質問されます。供述の内容態度なども、後の裁判で判断材料になることがあります。

執行猶予中に事件を起こした場合、捜査機関は再犯の可能性を重く見る傾向があります。そのため、通常より厳しく調べられることも少なくありません。

この段階ではまだ有罪が決まったわけではありませんが、その後の刑事手続きに大きく影響する重要な段階といえるでしょう。

検察が起訴するか不起訴にするか判断する

警察の捜査が終わると、事件は検察官に送られます。検察官は証拠事情を確認し、その人を裁判にかけるかどうかを判断します。

裁判にかけることを「起訴」といい、裁判にかけないことを「不起訴」といいます。不起訴になれば刑事裁判は行われません。

不起訴になる理由にはいくつか種類があります。証拠が不十分な場合や、犯罪の程度が軽く反省している場合などです。ただし、執行猶予中に新しい事件を起こした場合、検察は再犯を重く見ることが多く、起訴される可能性が高くなる傾向があります。

つまりこの段階は、裁判になるかどうかを決める非常に重要な判断ポイントといえるのです。

裁判で有罪か無罪かが判断される

検察が起訴を決めると、事件は刑事裁判へ進みます。裁判では、被告人が本当に犯罪を行ったのかどうか証拠に基づいて判断されます。

裁判では、検察官犯罪の証拠を提示し、弁護士はそれに対して反論弁護を行います。証人の証言書類映像などが証拠として提出されることもあります。最終的に裁判官が、被告人が犯罪をしたと認められるかどうかを判断します。犯罪が証明されない場合無罪判決になります。

一方で、犯罪が認められた場合には有罪判決が下され、刑罰の内容が決まります。ここで決まる刑の重さが、執行猶予の取り扱いにも大きく影響します。

つまり裁判は、その人の将来を大きく左右する重要な判断の場といえるでしょう。

刑が確定した時点で執行猶予取り消しかどうか決まる

新しい事件の裁判で有罪判決が出た場合、すぐに執行猶予が取り消されるとは限りません。重要なのは「刑が確定した時点」です。

判決が出ても、控訴上告などの手続きがあるため、すぐに確定するわけではありません。すべての手続きが終わり、判決が正式に確定した時点法律上の判断が行われます。

もし新しい事件で拘禁刑(懲役や禁錮など)以上の刑が確定した場合、原則として執行猶予は取り消されます。この場合、以前の事件で言い渡されていた刑と、新しい事件の刑の両方が問題になります。そのため、結果として刑務所に入る期間が長くなる可能性があります。

つまり、執行猶予中の再犯では新しい事件だけでなく過去の判決も影響するという点が大きな特徴です。

実刑判決になると前の刑と合わせて服役する可能性がある

新しい事件実刑判決が確定し、さらに執行猶予が取り消された場合、以前の刑と合わせて刑務所に入る可能性があります。

たとえば、最初の事件で「懲役1年、執行猶予3年」の判決を受けていたとします。そして執行猶予期間中に新しい事件で懲役2年の判決が確定した場合です。

この場合、執行猶予が取り消されると、最初の懲役1年と新しい懲役2年の両方が問題になります。裁判所の判断によっては、刑期が合計される形になることもあります。その結果、合計で数年の服役になることもあり得ます。つまり、執行猶予中の再犯は刑罰が非常に重くなる可能性があるのです。

このような理由から、執行猶予期間は単なる猶予期間ではなく、社会での生活態度が厳しく見られる重要な期間だといえるでしょう。

執行猶予が取り消しになる主な条件

執行猶予は一度付いたら絶対に維持されるわけではありません。一定の条件に当てはまる場合、裁判所の判断によって取り消されることがあります。

ここでは、執行猶予が取り消しになる主なケースについて説明します。

執行猶予期間中に新たな犯罪で拘禁刑以上の判決が確定した場合

執行猶予が取り消される最も典型的なケースは、期間中に新たな犯罪を行い、その事件で拘禁刑以上の判決が確定した場合です。

拘禁刑とは、懲役禁錮などの身体を拘束する刑罰のことを指します。これらの刑が確定した場合、法律上は執行猶予の取り消しが原則となります。

裁判所は、執行猶予を与えたにもかかわらず再び犯罪をした点を重く評価します。つまり、更生のチャンスを活かせなかったと判断されるのです。その結果、以前の判決で猶予されていた刑も執行されることになります。これにより、刑務所での服役が避けられない状況になることが多いでしょう。

このため、執行猶予期間中の行動通常以上に厳しく見られると考えておく必要があります。

執行猶予期間中に罰金刑となり裁判所が取り消しを判断した場合

新しい犯罪罰金刑になった場合でも、執行猶予が取り消される可能性はあります。ただし、この場合は必ず取り消されるわけではありません。

裁判所は、事件の内容悪質性反省の程度などを総合的に判断します。軽微な事件で再犯の可能性が低いと判断された場合には、取り消されないこともあります。

一方で、罰金刑であっても悪質な場合や、再犯を繰り返している場合などは、執行猶予が取り消される可能性があります。つまり罰金刑だからといって安心できるわけではありません。裁判所の判断によっては、以前の刑が執行される可能性もあるのです。

執行猶予中は小さなトラブルでも大きな問題になる可能性がある点を理解しておくことが大切です。

保護観察付き執行猶予で守るべきルールに違反した場合

保護観察付き執行猶予の場合、守るべきルールがいくつか定められています。これらのルールに違反した場合、執行猶予が取り消される可能性があります。

たとえば、保護観察官保護司との面談を無断で欠席する、生活状況を報告しない、決められた居住地を無断で変更するなどの行為です。また、暴力団などの反社会的勢力との関係を持つことや、犯罪につながる行動を繰り返すことも問題視されます。

保護観察は、再犯を防ぐための支援制度でもあります。そのため、指導や助言に従わず生活態度に問題があると判断された場合、裁判所に報告されることがあります。

その結果、裁判所が更生の見込みがないと判断すれば、執行猶予が取り消されて刑が執行される可能性があります。保護観察付きの場合は、日常生活の態度も重要な判断材料になるのです。

更生の見込みがないと裁判所が判断した場合

執行猶予は、被告人に更生の可能性があることを前提に与えられる制度です。そのため、裁判所が更生の見込みがないと判断した場合には、執行猶予が取り消されることがあります。

たとえば、再犯を繰り返している場合や、反省の態度が見られない場合などです。また、生活環境が不安定で再び犯罪に関わる可能性が高いと判断されることもあります。

裁判所は、被告人の生活態度社会環境家族の支援などを総合的に見て判断します。単に法律違反だけでなく、生活全体が評価されるのです。そのため、執行猶予中は日常生活の行動も重要になります。仕事を続ける、家族との関係を保つ、社会のルールを守るといった行動が更生の判断材料になります。

つまり執行猶予は単なる猶予ではなく、社会の中で信頼を取り戻すための試験期間ともいえるでしょう。

執行猶予中の再犯で執行猶予が取り消されるケース

執行猶予中に再犯をした場合、状況によっては執行猶予が取り消され、実刑になる可能性があります。特に悪質な事件や再犯性が高い場合には厳しい判断が下されることが多いです。

ここでは、実際に執行猶予が取り消される可能性が高い代表的なケースを紹介します。

窃盗や傷害などの犯罪で実刑判決が確定した場合

執行猶予期間中に窃盗傷害などの犯罪を行い、その事件で実刑判決が確定した場合、執行猶予が取り消される可能性は非常に高くなります。

実刑判決とは、刑務所に入る刑がそのまま執行される判決のことです。つまり社会内での更生が難しいと裁判所が判断したことを意味します。

このような場合、以前の事件で猶予されていた刑も同時に問題になります。結果として、刑務所での服役期間が長くなる可能性があります。裁判所は、執行猶予中の犯罪を特に重く見ます。なぜなら、すでに一度更生のチャンスを与えられているからです。

そのため、執行猶予中の犯罪は通常の事件よりも厳しい判断が下されやすいといえるでしょう。

飲酒運転や薬物事件など同種犯罪を繰り返した場合

同じ種類の犯罪を繰り返す場合も、執行猶予が取り消される可能性が高くなります。これを「同種再犯」と呼ぶことがあります。

たとえば、飲酒運転で執行猶予になった人が、再び飲酒運転をしてしまった場合です。また、薬物事件で執行猶予になった人が再び薬物を使用した場合なども該当します。

同じ犯罪を繰り返す場合、裁判所は更生の可能性を厳しく判断します。なぜなら、同じ原因で再び犯罪をしている可能性が高いからです。その結果、再度の執行猶予が認められず、実刑になるケースも少なくありません。

つまり同種犯罪の再犯は、執行猶予を維持することが非常に難しくなる状況だといえるでしょう。

執行猶予期間中に悪質な犯罪を起こした場合

執行猶予期間中に起こした犯罪が悪質である場合も、執行猶予が取り消される可能性は非常に高くなります。悪質な犯罪とは、被害が大きいもの計画的に行われた犯罪などを指します。

たとえば、強盗重大な暴力事件詐欺などの被害額が大きい犯罪が該当することがあります。このような犯罪では、社会への影響も大きく、裁判所は厳しい判断をする傾向があります。

また、犯罪の手口が計画的であったり、被害者が複数いる場合なども、悪質性が高いと評価されます。こうしたケースでは再び執行猶予が認められる可能性は低くなるでしょう。

執行猶予は本来、軽い犯罪更生の可能性が高い場合に与えられる制度です。そのため、重大な犯罪を再び行った場合には、その前提が崩れてしまいます。結果として、裁判所は社会内での更生が難しいと判断し、実刑判決を下す可能性が高くなります。

新しい犯罪で再度の執行猶予が認められなかった場合

執行猶予中に新しい犯罪をした場合でも、必ずしも実刑になるとは限りません。状況によっては、再度の執行猶予が認められることもあります。

しかし、裁判所が再び執行猶予を与えることは簡単ではありません。すでに一度執行猶予を受けているため、再犯は厳しく評価されるからです。

もし裁判所が再度の執行猶予を認めなかった場合、新しい事件は実刑となる可能性が高くなります。そして同時に、以前の執行猶予も取り消されることになります。この場合、過去の刑と新しい刑の両方を受けることになるため、結果的に服役期間が長くなることがあります。

つまり、執行猶予中の再犯では再び執行猶予が認められるかどうかが大きな分かれ道になるのです。

執行猶予中の再犯でも執行猶予が取り消されないケース

執行猶予中に事件が起きたとしても、必ず執行猶予が取り消されるわけではありません。状況によっては、執行猶予が維持されるケースもあります。

ここでは、実際に執行猶予が取り消されない可能性がある代表的なケースを紹介します。

不起訴処分となり刑事裁判にならなかった場合

警察の捜査が終わった後、検察官が不起訴処分を決定することがあります。不起訴とは、事件を裁判にかけないという判断です。

不起訴にはいくつかの理由があります。証拠が不十分な場合や、犯罪の程度が軽く反省している場合などです。不起訴処分になれば、刑事裁判は開かれません。そのため、新しい犯罪について刑罰が確定することはありません。

執行猶予が取り消されるかどうかは、通常「刑が確定したかどうか」が重要な基準になります。そのため、不起訴の場合は執行猶予が取り消されない可能性が高くなります。

ただし、同じようなトラブルを繰り返すと、次の事件では厳しく判断される可能性があります。執行猶予中は慎重な行動が求められる期間といえるでしょう。

無罪判決になった場合

裁判が行われた結果、無罪判決になるケースもあります。無罪とは、犯罪をしたという証明ができなかった場合に出される判決です。

刑事裁判では「疑わしきは被告人の利益に」という原則があります。そのため、証拠が十分でない場合には無罪になることがあります。

無罪判決が確定した場合、法律上は犯罪をしたことにはなりません。そのため、新しい犯罪による刑罰は存在しないことになります。

この場合、執行猶予の取り消し理由もなくなるため、通常は執行猶予が維持されます。つまり無罪判決が確定すれば、執行猶予に直接影響することは基本的にありません。

新しい犯罪が軽微で罰金刑となり裁判所が取り消さないと判断した場合

新しい事件で罰金刑が言い渡された場合でも、必ず執行猶予が取り消されるとは限りません。裁判所が状況を総合的に判断します。

たとえば、事件の内容が軽く被害が小さい場合や、深く反省している場合などです。また、被害者との示談が成立している場合も考慮されることがあります。

このような事情が認められれば、執行猶予が取り消されず、そのまま維持される可能性があります。

ただし、執行猶予中に犯罪をした事実は重く見られるため、決して軽く考えることはできません。裁判所が更生の可能性を認めた場合に限り、例外的に執行猶予が維持されるケースがあるのです。

再度の執行猶予が認められた場合

執行猶予中に新たな犯罪をした場合でも、状況によっては再び執行猶予が付くことがあります。これを一般的に「再度の執行猶予」と呼ぶことがあります。

再度の執行猶予が認められるかどうかは、事件の内容被告人の反省の程度再犯の可能性などを総合的に判断して決まります。

たとえば、犯罪の内容が比較的軽く被害者との示談が成立している場合などです。また、安定した仕事家族の支援があり、更生の環境が整っている場合も考慮されます。

裁判所が「社会の中で更生する可能性がある」と判断した場合には、新しい事件にも執行猶予が付く可能性があります。

ただし、すでに執行猶予中である以上、再度の執行猶予は簡単に認められるものではありません。あくまで例外的なケースとして認められる可能性があるという程度に理解しておくとよいでしょう。

再犯の判決確定が執行猶予期間満了後になった場合

執行猶予が取り消されるかどうかは、「いつ判決が確定したか」が重要になります。たとえ執行猶予期間中に犯罪をしていたとしても、判決の確定が期間満了後であれば扱いが変わることがあります。

たとえば、執行猶予の最終年に事件を起こし、その裁判が長引いた場合です。判決が確定するまでに執行猶予期間が終了してしまうこともあります。

この場合、法律上は執行猶予期間がすでに満了しているため、以前の刑の執行は免除されています。そのため、執行猶予の取り消しという問題が生じないケースがあります。

ただし、新しい事件については当然ながら刑罰が科される可能性があります。つまり、以前の刑は免除されても、新しい刑罰は受けることになります。

このように、判決が確定するタイミングによって結果が変わることもあるのです。

執行猶予中に再犯で逮捕された場合の裁判のポイント

執行猶予中の再犯では、裁判所は通常の事件よりも厳しく事情を確認します。そのため、裁判ではいくつかの重要なポイントが判断材料になります。

ここでは、実際の裁判で特に重視される主なポイントについて解説します。

被害者との示談が成立しているか

刑事裁判では、被害者との示談が成立しているかどうかが重要な判断材料になります。示談とは、被害者と加害者が話し合い、損害賠償などの条件で和解することをいいます。

示談が成立している場合、被害者が処罰を強く望んでいないことが多く、裁判所の判断にも影響する可能性があります。

特に、窃盗傷害などの事件では、被害者の感情が刑の重さに影響することがあります。被害者が許している場合には、刑が軽くなる可能性もあります。

もちろん示談だけで罪が消えるわけではありません。しかし、反省責任を示す行動として評価されることがあります。そのため刑事事件では、被害者との示談が重要な要素になることが多いのです。

反省や更生の意思があるか

裁判では、被告人がどれだけ反省しているかも重要なポイントになります。単に口で謝るだけではなく、実際の行動が重視されます。

たとえば、被害者への謝罪再発防止の努力生活環境の改善などです。これらの行動がある場合、裁判所は更生の可能性を考慮します。

また、再び同じ犯罪をしないための取り組みも評価されます。アルコール問題が原因の場合は治療を受ける、薬物事件の場合は更生プログラムに参加するなどです。

執行猶予中の再犯では、特に反省の態度が厳しく見られます。なぜなら、すでに一度更生の機会が与えられているからです。そのため裁判では、本当に立ち直る意思があるのかが重要な判断材料になります。

家族や職場の監督体制が整っているか

被告人を支える環境があるかどうかも、裁判所が重視するポイントです。家族職場の支援がある場合、更生の可能性が高いと判断されることがあります。

たとえば、家族が生活を支えると約束している場合や、職場が引き続き雇用する意思を示している場合などです。

安定した生活環境があることは、再犯を防ぐうえで重要な要素になります。そのため、裁判では家族の監督体制などが確認されることがあります。

場合によっては、家族が裁判で証言することもあります。被告人の生活を支える意思を示すことで、裁判所の判断に影響することがあります。つまり裁判では、社会の中で支えてくれる環境があるかどうかも重要な判断材料になるのです。

初犯か同種前科があるか

被告人の前科前歴も、裁判では重要な判断材料になります。特に同じ種類の犯罪を繰り返している場合は、再犯の可能性が高いと判断されることがあります。

執行猶予中の事件では、すでに前科がある状態です。そのため、さらに同種の犯罪をしている場合は厳しい判断が下される可能性が高くなります。

一方で、過去の犯罪とまったく異なる種類の事件であり、偶発的な事情があった場合には、事情が考慮されることもあります。

裁判所は、過去の犯罪歴だけでなく、その後の生活状況改善の努力なども含めて判断します。つまり、これまでの生活や犯罪歴全体が裁判の判断材料になるのです。

弁護士による弁護活動の内容

刑事裁判では、弁護士の弁護活動も重要な役割を果たします。弁護士は被告人の事情を裁判所に説明し、刑を軽くするための主張や証拠を提出します。

たとえば、被害者との示談交渉を進めたり、更生のための環境を整えたりすることがあります。また、再犯の原因を分析し、改善策を示すこともあります。

弁護士は法律の専門家として、裁判の進め方証拠の提出方法などを適切に判断します。その結果が裁判所の判断に影響することも少なくありません。

執行猶予中の再犯は状況が複雑になることが多く、専門的な対応が重要になるケースもあります。そのため、弁護士の弁護活動の内容が判決に大きく影響することもあるのです。

まとめ:執行猶予中の再犯で逮捕されたら?執行猶予取り消しの条件と刑罰

執行猶予とは、有罪判決を受けても一定期間刑の執行を猶予し、社会の中で更生する機会を与える制度です。しかし、その期間中に再犯をすると、執行猶予が取り消される可能性があります。

特に、新しい犯罪懲役などの拘禁刑が確定した場合には、原則として執行猶予が取り消されます。その結果、以前の刑と新しい刑の両方を受ける可能性があります。

一方で、不起訴処分無罪判決になった場合、あるいは軽微な事件で裁判所が取り消さないと判断した場合には、執行猶予が維持されることもあります。

裁判では、被害者との示談反省の態度家族の支援前科の有無弁護士の弁護活動などが総合的に判断されます。これらの事情によって結果が大きく変わることもあります。

執行猶予期間は、社会の中で更生するための重要な期間です。もしトラブルが起きた場合には、状況を正しく理解し、早めに専門家へ相談することが大切といえるでしょう。