日常の中の「もしも」に備える法律ノート

露出行為で逮捕されたらどうなる?刑法・手続き・判決まで徹底解説

街中や公園などで衣服を脱ぐ、下半身を露出するなどの「露出行為」は、軽い気持ちで行ってしまっても重大な犯罪として扱われることがあります。実際に逮捕されてしまうと、警察での取り調べや勾留、そして裁判に至ることもあります。

  この記事では、露出行為がどのような場合に犯罪となるのか、逮捕後にどんな手続きが進むのかを、法律の観点から詳しく解説します。さらに、弁護士への相談タイミングや、示談がどのように判決に影響するのかについても紹介します。

もしあなたや身近な人が露出行為でトラブルになってしまった場合にも、この記事を読むことで全体の流れを把握し、冷静に対応できるようになるはずです。

露出行為とは?どんな行為が処罰の対象になるのか

露出行為とは、一般の人が目にする可能性のある場所で、性的な意味を持つ体の一部を見せる行為を指します。この章では、どのような行為が法律上の犯罪になるのかを具体的に解説します。

公然わいせつ罪として処罰される行為

日本の刑法において、露出行為の多くは「公然わいせつ罪」に該当します。これは、人目につく場所で性器やお尻などを見せる行為が対象になります。たとえ一瞬でも、周囲の人が不快に感じたり、性的羞恥心を害すると判断されれば罪に問われます。

  例えば、公園や電車内、路上などで下半身を露出する行為や、動画配信で自分の体を晒す行為なども処罰の対象です。インターネット配信を通して行われた場合でも、「公然」とみなされることがあります。

この罪に該当した場合、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

軽い気持ちで行った行為でも、逮捕されれば前科がつく可能性があるため、非常に注意が必要です。

刑法174条に定められている内容

公然わいせつ罪は、刑法第174条で次のように規定されています。

公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処する。
引用:刑法第174条(e-Gov法令検索)

ここでいう「公然」とは、不特定多数の人が見ることができる状態を意味します。また、「わいせつな行為」とは、社会的に性的刺激を与えるような行動のことを指します。

つまり、見せる相手が特定の1人であっても、周囲に他人がいる可能性がある場所で行えば公然わいせつと判断されることがあるのです。

「誰にも見られていないから大丈夫」では済まされない場合があるという点は、特に注意が必要です。

軽犯罪法にあたる場合の露出行為

すべての露出行為が刑法の公然わいせつ罪にあたるわけではありません。行為の程度が比較的軽い場合には、軽犯罪法違反として処理されるケースもあります。

  たとえば、人のいない場所で一瞬だけ下着姿になっていた場合や、酔った勢いで短時間露出しただけのケースなどが該当することがあります。

軽犯罪法第1条20号では、次のように定められています。

正当な理由がなくて人を驚かすようなことをし、またはみだりに公衆に不安を覚えさせるような行為をした者は、拘留又は科料に処する。
引用:軽犯罪法第1条(e-Gov法令検索)

この場合、拘留(1日以上30日未満の身体拘束)や科料(1,000円以上1万円未満の罰金)が科せられることになります。

つまり、悪質性が高い場合は刑法で、軽度の場合は軽犯罪法で処理されるという違いがあるのです。

不特定多数に見られる場所が対象になる

露出行為が犯罪として成立するためには、「公然性」が必要です。これは、誰でも見ることができる環境で行われたかどうかを基準に判断されます。

  例えば、自宅のベランダで裸になっていても、通行人から見える場合は「公然」とされる可能性があります。一方で、完全に人目のない自室の中での行為であれば、基本的には犯罪にはなりません。

また、最近ではライブ配信やSNS上での露出行為も、公然性が認められるケースが増えています。インターネット上で不特定多数が視聴できるため、現実の空間と同様に扱われるのです。

このように、露出行為は行った場所や状況によって、罪の重さや扱いが大きく変わる点を理解しておく必要があります。

露出行為で逮捕されるケースと逮捕されないケース

露出行為をしたからといって、必ずしもその場で逮捕されるとは限りません。ここでは、どのようなケースで逮捕されやすく、どのような場合に逮捕されない可能性があるのかを解説します。

現行犯で見つかった場合は逮捕されやすい

  もっとも逮捕されやすいのは、現行犯として警察に見つかった場合です。露出行為をしている最中、または直後に警察官や通報を受けた職員が駆けつけたときなどがこれにあたります。

現行犯逮捕の場合、令状が不要なためその場で身柄を拘束されます。服を着て逃げようとしても、「行為直後」であることが確認できれば現行犯とみなされることがあります。

また、現行犯でなくても「準現行犯」として逮捕されることもあります。たとえば、犯行直後に逃げている途中や、周囲の証言などで直近の行為と断定された場合などです。

つまり、目撃者がいる場合や警察がすぐ駆けつけた場合は、逮捕の可能性が非常に高いといえるでしょう。

防犯カメラや目撃証言がある場合

  近年では、防犯カメラの普及により露出行為の証拠が映像として残ることが多くなっています。このような場合も、警察は証拠をもとに捜査を進め、容疑者を特定して逮捕に至ることがあります。

特に、SNSなどに動画や画像が投稿されて拡散された場合は、「公然わいせつ罪」だけでなく「わいせつ物陳列罪」などの別の罪にも発展する可能性があります。

目撃者が複数いた場合も、証言の信頼性が高いため逮捕に至るケースが多いです。証拠が十分にあると判断されれば、逃亡の恐れがなくても任意同行や逮捕に踏み切られることもあります。

映像や証言は、後の裁判でも重要な証拠となるため、非常に重い影響を持つといえるでしょう。

身元がはっきりしていて逃げない場合は逮捕されないこともある

一方で、警察が捜査の結果、容疑者の身元を特定でき、逃亡や証拠隠滅の恐れがないと判断した場合には、逮捕されないケースもあります。

  たとえば、本人が素直に警察の呼び出しに応じて事情を説明し、反省の意思を示している場合には、任意捜査として手続きが進められることがあります。

このような場合でも、刑事手続きが行われる点は変わりませんが、身柄拘束がない分、仕事や日常生活への影響が少なく済むのが特徴です。

弁護士を早期に依頼することで、逮捕を回避できるケースもあります。早い段階で法律の専門家に相談することが重要です。

露出行為で逮捕された直後に起こること

逮捕されると、身柄は警察署に連れて行かれ、一定の手続きが行われます。この段階から、あなたの自由は大きく制限されることになります。

警察署に連れて行かれ身柄を拘束される

  逮捕されると、警察官によって警察署に連行されます。ここでまず行われるのが、「身柄拘束」です。これは、逃亡や証拠隠滅を防ぐために、一定時間身体の自由を奪う措置です。

署に到着すると、所持品検査や身体検査が行われ、所持していた物は一時的に預けることになります。スマートフォンや財布も没収され、外部との連絡は制限されます。

この時点では、まだ裁判などが始まっているわけではありませんが、刑事事件としての正式な手続きが始まる段階です。

拘束時間は通常48時間以内と定められていますが、検察官への送致が行われると、さらに勾留が延長されることもあります。

弁護士を呼ぶことができる

逮捕された後でも、被疑者には弁護士を呼ぶ権利があります。弁護士は、被疑者の代わりに警察や検察とのやり取りを行い、取り調べへの対応方法をアドバイスしてくれます。

  早期に弁護士を依頼することが、事件の今後を大きく左右するといっても過言ではありません。弁護士は、違法な取り調べを防ぎ、供述の内容が不利にならないようサポートします。

特に、初めて逮捕された人にとっては、何をどう話していいかわからない不安が大きいものです。冷静に対応するためにも、弁護士の存在は非常に心強い味方になります。

また、国が費用を負担してくれる「当番弁護士制度」もあり、初回相談は無料で受けられるため、利用する価値があります。

家族に連絡が行く場合がある

  警察は、逮捕した人物の身元確認のために家族へ連絡を取ることがあります。連絡内容は、逮捕の事実や勾留先の警察署、面会の可否などです。

ただし、本人が希望しない限り、すぐに家族に通知されないケースもあります。警察が事件の性質や状況を考慮し、一定期間伏せる場合もあるのです。

家族に知られることで社会的ダメージは大きいものの、家族の協力によって示談交渉や弁護士費用の支払いなど、今後の手続きを有利に進められる場合もあります。

もし家族に連絡が行った場合は、感情的にならず、冷静に状況を受け止めることが大切です。

警察の取り調べと供述調書の流れ

逮捕後、被疑者は警察で取り調べを受けることになります。ここでの発言内容は、のちの裁判にも影響を与える重要な要素です。

警察官から事実関係を聞かれる

取り調べでは、まず警察官が事件の経緯や動機について質問します。どこで、いつ、どのような行為をしたのか、なぜそのような行動に至ったのかを詳しく聞かれます。

  この段階で重要なのは、嘘をつかず、冷静に事実を伝えることです。虚偽の供述をすると、のちに証拠と食い違った際に信用性を失い、より不利な状況に陥る可能性があります。

また、供述は自由意志に基づいて行われるべきであり、強制的な自白は違法です。警察が圧力をかけるような取り調べを行った場合、弁護士に報告することで対処してもらうことができます。

取り調べ中は録音・録画されるケースもあり、不当な扱いを受けた場合の証拠にもなります。

話した内容が供述調書にまとめられる

警察での取り調べが終わると、あなたが話した内容をもとに「供述調書」という書類が作成されます。これは、あなたがどのような発言をしたかを記録する重要な書類です。調書には、事件の経緯や行為の詳細、動機、反省の有無などが具体的に書かれます。

  警察官が調書を作成した後、あなたに内容を確認させます。もし事実と異なる記述があれば、その場で訂正を求めることができます。無理に署名や押印をする必要はありません。一度署名してしまうと、後から「そんなことは言っていない」と主張しても認められにくくなるため、注意が必要です。

警察は事件を早く処理したいため、調書の内容を急いでまとめようとすることがあります。しかし、少しでも違和感がある部分は、必ず修正を求めることが重要です。誤った調書は後に不利な証拠として扱われる可能性があります。

弁護士が同席できない取り調べもありますが、事前にアドバイスを受けておくことで冷静に対応できます。

内容を確認して署名や押印をする

供述調書の内容を確認した上で、問題がなければ署名と押印をします。これは「この内容は自分が話したことと同じです」という確認行為にあたります。

一度署名をすれば、内容は証拠として裁判でも使われるため、慎重に行う必要があります。警察官が「早く終わるから」と急がせても、焦ってはいけません。

  理解できない表現や曖昧な部分があれば、遠慮なく修正を求めることが大切です。特に法律用語や難しい言い回しが使われている場合は、弁護士に相談してから対応しましょう。

供述調書は、被疑者にとって非常に重要な証拠になります。取り調べの段階で慎重に確認することが、後の結果を左右します。

検察への送致と勾留の判断について

警察の取り調べが一段落すると、事件は検察に送られます。ここからは、検察官が主導して今後の処理方針を決める段階に入ります。

逮捕から48時間以内に検察へ送られる

刑事訴訟法では、逮捕から48時間以内に被疑者を検察へ送致することが定められています。これを「送検」といいます。警察が事件を検察に引き渡すことで、捜査の主導権が検察に移ります。

  この48時間という期間は、警察が被疑者の身柄を拘束できる最長時間です。もしこの時間を過ぎても送致されない場合は、釈放されなければなりません。つまり、送致が行われる時点で、「引き続き捜査を続ける必要がある」と判断されたことになります。

送致後、検察は被疑者を直接取り調べ、勾留するかどうかを判断します。ここでの判断は非常に重要で、身柄拘束が続くかどうかが決まる瞬間です。

弁護士がいれば、この段階で検察官に対して勾留の回避を求める意見書を提出してくれることもあります。

検察官が勾留するかどうかを決める

検察官は、送致を受けてから24時間以内に、裁判所に「勾留請求」をするかどうかを決めます。勾留とは、引き続き身柄を拘束したまま捜査を行うための措置です。

勾留請求が認められるには、「罪を犯した疑いがあること」「逃亡や証拠隠滅の恐れがあること」が条件になります。つまり、逃げたり、証拠を隠したりする可能性が低いと判断されれば、勾留されない場合もあるのです。

  勾留を避けるためには、弁護士が検察官に対して意見書を提出し、被疑者の反省や家族の支援、定職の有無などを説明することが有効です。これにより、「逃げない」「証拠を隠さない」と判断されれば、釈放されるケースもあります。

ただし、露出行為の場合は「同様の行為を繰り返す可能性」が考慮されるため、初犯でも勾留されることが少なくありません。

勾留されると最大20日間身柄を拘束される

  裁判所が勾留を認めると、原則として10日間身柄を拘束されます。さらに、捜査の進行状況によっては10日間の延長が認められ、最長で20日間拘束されることになります。

この間、自由に外部と連絡を取ることはできず、弁護士や家族との面会も制限されることがあります。長期間の拘束は精神的にも大きな負担となり、仕事や家庭にも影響を及ぼします。

勾留中は警察や検察による追加の取り調べが行われ、事件の動機や経緯がさらに詳しく調べられます。ここでの態度や供述内容も、のちの起訴・不起訴の判断に影響します。

弁護士は、勾留期間中も接見を通じて助言やサポートを行い、できる限り早期の釈放を目指します。

起訴・不起訴はどのように決まるのか

検察による勾留期間が終わると、起訴するか不起訴にするかの判断が下されます。これは事件の結末に大きく影響する重要な判断です。

証拠が十分かどうかで判断される

  検察が起訴を決める最大の要素は「証拠の十分性」です。犯行を裏付ける証拠が明確で、被疑者が行為を認めている場合は、起訴される可能性が高くなります。
  一方で、目撃証言に矛盾がある、または映像などの物的証拠が不十分な場合は、不起訴になるケースもあります。「疑わしきは被告人の利益に」という原則が働くため、証拠が不十分なら起訴しない判断が下されるのです。

また、警察が誤認逮捕をした場合や、行為自体が犯罪に該当しないと判断された場合も、不起訴処分となります。

弁護士が検察に対して有利な資料を提出することで、不起訴の可能性を高めることができます。

反省しているかや前科の有無が考えられる

証拠が十分でも、被疑者の態度やこれまでの経歴も判断材料となります。特に、初犯であり、深く反省している場合は、不起訴または略式起訴(罰金刑)で済むことがあります。

過去に同様の前科がある場合や、反省の様子が見られない場合は、正式裁判に進む可能性が高まります。

  謝罪文や反省文を提出することは、処分を軽くするための有効な手段です。誠実に反省の意を示すことで、検察官の印象を良くし、結果的に不起訴を引き出せることもあります。

弁護士の助言のもと、早期に反省文を用意しておくことが大切です。

被害者がいる場合は示談の有無が見られる

露出行為は、目撃者や被害者が存在するケースが多く、その心理的な影響は決して小さくありません。そのため、検察官は起訴・不起訴の判断を行う際に「被害者との示談が成立しているかどうか」を重視します。

  示談とは、被害者と加害者の間で損害の賠償や謝罪を行い、合意に至ることを指します。示談が成立すると、被害者が「もう処罰を望まない」と意思を示すため、起訴猶予や不起訴処分になることがあります。
  反対に、被害者が許していない、または謝罪に応じない場合には、起訴される可能性が高まります。特に、公共の場で不特定多数の人に見られた場合は、示談の対象が特定しにくいため、不起訴を得るのは難しいこともあります。

弁護士は被害者側との連絡を代理で行い、適切な謝罪や賠償の方法を提案してくれます。被疑者本人が直接連絡を取るのは避けるべきです。感情的な衝突を避けるためにも、示談交渉は必ず弁護士を通して行うのが安全です。

起訴された場合の裁判の流れ

検察官が「起訴すべき」と判断すると、事件は裁判所に送られます。ここからは、正式な刑事裁判の手続きが進む段階です。

裁判所に起訴されて裁判が始まる

  起訴状が裁判所に提出されると、正式に裁判が開始されます。裁判では、検察が被告人の犯罪を立証し、弁護側が無罪や減刑を主張します。

露出行為の場合、行為の悪質性、被害の有無、反省の程度などが主な争点となります。特に、再犯の可能性があるかどうかが重視されます。

裁判は一度で終わることもありますが、複数回の公判が開かれるケースも少なくありません。法廷では証拠の提示や証人尋問などが行われ、最終的に判決が言い渡されます。

起訴された時点で前科が確定するわけではなく、判決で有罪が確定して初めて前科がつくことになります。

被告人として法廷に出る

  起訴されると、あなたは「被告人」として法廷に立つことになります。法廷では裁判官、検察官、弁護士が出席し、事件の事実関係が審理されます。

露出行為の場合、被告人自身の供述や反省の態度が特に重要視されます。裁判官は「どれほど反省しているか」「今後同じことを繰り返さないか」を見極めます。

裁判中に被告人が誠実に謝罪し、社会復帰への努力を示していれば、量刑が軽くなることもあります。形式的な謝罪ではなく、心からの反省を示すことが鍵です。

また、弁護士が準備した反省文や家族の嘆願書が、判決に良い影響を与えることもあります。

判決が言い渡される

審理がすべて終わると、裁判官によって判決が言い渡されます。判決の内容は、証拠や供述、示談の有無などを総合的に考慮して決定されます。

  有罪の場合、懲役刑・罰金刑・執行猶予付き懲役刑などが科されます。初犯で反省している場合は、罰金刑や執行猶予がつくことが多いです。
  一方、再犯や悪質な行為であった場合は、実刑となる可能性もあります。特に、複数回の露出行為やSNS上での動画配信などは社会的影響が大きいため、重い処分が下されやすい傾向があります。

無罪が言い渡された場合は、その時点で釈放され、前科もつきません。

略式裁判と正式裁判の違い

露出行為のような比較的軽微な犯罪では、すべてが正式な裁判になるわけではありません。状況によっては、略式裁判で処理されることもあります。

略式裁判は罰金のみで終わることが多い

  略式裁判とは、裁判所が書面のみで審理を行い、簡易的に刑を決める手続きです。被告人が罪を認めている場合に適用されることが多く、罰金刑で終わるケースがほとんどです。

公判を開かないため、通常の裁判に比べて期間も短く、社会的な負担も少なく済みます。職場や家族に知られるリスクを抑えたい場合にも有効です。

  ただし、略式裁判は有罪前提で進むため、無罪を主張したい場合や冤罪を訴えたい場合には向きません。弁護士と相談し、どちらが最善かを判断することが大切です。

罰金額は数十万円程度となることが多く、支払えば事件は終了します。

正式裁判は公判が開かれる

  正式裁判とは、法廷で裁判官の前に出て審理を受ける通常の裁判です。略式裁判と違い、被告人が罪を否認している場合や、事件が重いと判断された場合に行われます。

正式裁判では、証拠や証人の尋問などが行われ、より慎重に事実が審理されます。その分、期間が長くなり、心理的な負担も大きくなります。

  しかし、正式裁判では弁護人が積極的に弁論できるため、不当な処分を防ぐことができます。無罪や減刑を目指す場合は正式裁判が有効といえるでしょう。

一方、判決が確定するまで時間がかかるため、早期解決を望む人には不向きです。

前科がつくかどうかに影響する

略式裁判でも正式裁判でも、有罪判決が下されると前科がつきます。たとえ罰金刑であっても、「前科がある」と扱われます。

  前科がつくと、就職や転職、資格取得などで不利になる場合があります。特に公務員や士業などでは影響が大きいです。
  一方で、不起訴や無罪判決の場合は前科はつきません。したがって、できるだけ不起訴や無罪を目指すことが将来的なリスクを減らすポイントです。

弁護士の助力によって、起訴を避けたり、執行猶予付き判決に持ち込んだりする可能性も高まります。

露出行為事件で言い渡される判決の種類

露出行為に関する裁判では、行為の内容や被告人の反省の度合いに応じて、いくつかの判決が下されます。ここでは代表的な3つの判決について解説します。

罰金刑

  もっとも多いのが罰金刑です。初犯であり、行為が軽度の場合に科せられます。金額は10万円から50万円程度が一般的です。

罰金を支払えば刑は終了し、服役する必要はありません。ただし、前科は残ります。

罰金刑で済むかどうかは、示談の有無や反省の態度、再犯の可能性などが判断基準となります。

社会的影響を最小限に抑えたい場合、早期に弁護士を通じて示談を成立させることが有効です。

執行猶予付きの懲役刑

  再犯や悪質な行為であった場合、懲役刑が言い渡されることがあります。ただし、初犯であっても一定の反省や更生の見込みがある場合には、「執行猶予付き懲役刑」が適用されます。

執行猶予期間中に再び犯罪を犯さなければ、刑の執行は免除されます。つまり、刑務所に入ることはありません。

裁判官は「社会内で更生できる」と判断した場合に執行猶予を付けます。反省文や家族の支援、社会的なつながりが評価されるポイントです。

一方、再犯を重ねた場合は猶予が取り消され、実刑に切り替わることがあります。

無罪や不起訴になる場合もある

すべての露出行為が有罪になるわけではありません。証拠が不十分な場合や、故意がなかったと判断される場合には無罪となることもあります。

また、警察の誤認逮捕や違法な取り調べがあった場合も、不起訴や無罪になることがあります。

  弁護士が証拠の矛盾を指摘し、被疑者の正当性を主張することで、無罪判決を得られる可能性もあります。

特に、意図的ではない露出(たとえば衣服の乱れなど)は、犯罪として成立しない場合も多いです。

前科がつくかどうかの判断基準

露出行為で逮捕された場合、多くの人が最も気にするのが「前科がつくのかどうか」でしょう。ここでは、その判断基準と、前科がついた場合の社会的影響について解説します。

起訴され有罪になると前科がつく

刑事事件において、前科がつくのは「起訴され、有罪判決が確定した場合」です。つまり、検察が起訴を行い、裁判で有罪となった時点で前科が記録されます。

罰金刑や懲役刑、執行猶予付き懲役刑など、どの刑罰でも有罪であれば前科になります。たとえ罰金刑であっても「有罪」には変わりません。

  前科がつくと、警察や裁判所の記録に残るほか、履歴書などに「前科なし」と記入できなくなります。公務員や特定の職種(弁護士、公認会計士、教師など)では、就職や資格維持に影響が出ることもあります。

このようなリスクを避けるためには、できる限り不起訴処分を目指すことが重要です。

不起訴や無罪なら前科はつかない

一方で、検察が「起訴に足る証拠がない」と判断して不起訴処分にした場合、前科はつきません。これは、法律上「有罪が確定していない」ためです。

また、裁判まで進んでも、最終的に無罪判決を受けた場合も前科はつきません。つまり、起訴されたからといって必ず前科がつくわけではないのです。

  不起訴や無罪を勝ち取るためには、弁護士のサポートが欠かせません。証拠の矛盾や違法な捜査を指摘し、被疑者に不利な供述調書の訂正を求めるなど、法律の専門知識が必要になります。

弁護士の早期介入によって前科を防ぐことができるケースは少なくありません。

弁護士に相談・依頼するタイミングとメリット

露出行為で逮捕された場合、どのタイミングで弁護士に依頼するかが非常に重要です。ここでは、弁護士に早く相談すべき理由と、そのメリットを紹介します。

逮捕直後に相談するのが大切

もっとも効果的なのは、逮捕直後に弁護士へ相談することです。逮捕後は警察の取り調べや勾留判断など、重要な手続きが次々に進みます。この段階での対応を誤ると、その後の結果に大きな影響を及ぼします。

  弁護士は、勾留の回避や早期釈放を目指すための意見書を提出したり、検察との交渉を行ったりします。迅速な行動が必要なため、できるだけ早い段階で弁護士に連絡することが最善です。

また、被疑者本人が弁護士に直接連絡できない場合でも、家族が代わりに依頼することが可能です。

「当番弁護士制度」を利用すれば、初回の相談を無料で受けることができるため、費用面で不安がある人にも安心です。

取り調べへの対応を助けてもらえる

弁護士の大きな役割のひとつが、取り調べにおけるアドバイスです。警察や検察の取り調べでは、質問の仕方によって供述が不利な内容になることがあります。

  弁護士は、どのように話すべきか、答えるべきでない質問はどれかなどを事前に指導してくれます。また、取り調べで作成される供述調書の内容もチェックし、誤りがあれば修正を求めるようアドバイスします。

弁護士がいることで、警察による不当な圧力や強制的な自白を防ぐことができるのです。

精神的に追い詰められやすい取り調べの中で、冷静な判断を保つためにも、弁護士の存在は非常に心強い支えになります。

不起訴を目指した動きをしてもらえる

  弁護士は、事件をできるだけ早く解決するために、検察や被害者との交渉を行い、不起訴を目指して動きます。示談交渉を円滑に進めたり、被疑者の反省文や誓約書を提出することで、検察の心証を良くすることも可能です。

また、社会復帰を支援する活動として、再発防止プログラムやカウンセリングの受講などを提案することもあります。これにより、「更生の見込みがある」と判断されて不起訴処分になる可能性が高まるのです。

弁護士に依頼することで、事件の方向性が大きく変わることも少なくありません。早い段階で専門家に相談することが、もっとも賢明な選択といえるでしょう。

示談や反省が判決に与える影響

露出行為の事件では、被害者との示談や本人の反省の度合いが、判決に大きな影響を与えることがあります。ここでは、どのようにそれらが評価されるのかを見ていきましょう。

被害者と示談が成立すると軽くなることがある

被害者と示談が成立した場合、裁判では情状酌量として扱われ、刑が軽くなることがあります。示談の内容には謝罪文や慰謝料の支払いなどが含まれます。

  示談成立によって、被害者が「処罰を望まない」と意思を示した場合、検察官は起訴を見送ることもあります。たとえ起訴されても、罰金刑や執行猶予付き判決にとどまるケースが多いです。

ただし、被害者との直接交渉は避け、必ず弁護士を通して行う必要があります。感情的な対応は事態を悪化させる可能性があるため注意が必要です。

示談は「誠意を形で示す」行為であり、真摯な態度が結果を左右すると言えるでしょう。

反省文や謝罪が考慮される

反省の意思を明確に示すことも、処分を軽くする要素のひとつです。反省文や謝罪文を裁判所に提出することで、裁判官に誠実さを伝えることができます。

  形式的な文章ではなく、なぜそのような行為に及んだのか、再発防止のためにどんな努力をしているのかを具体的に書くことが大切です。

また、カウンセリングの受講や更生プログラムの参加など、行動で示すことも有効です。「再び同じことをしない」という意思を具体的に示すことが、量刑を軽くする要因となります。

弁護士と一緒に反省文を作成することで、より説得力のある内容に仕上げることができます。

露出行為で逮捕されてから判決までの流れのまとめ(露出行為・逮捕・判決・流れ)

ここまでの内容をまとめると、露出行為で逮捕されてから判決までの流れは以下のようになります。

  1. 現行犯または通報により逮捕され、警察で取り調べを受ける。
  2. 検察に送致され、勾留の有無が判断される。
  3. 勾留中に供述調書が作成され、証拠が集められる。
  4. 検察が起訴・不起訴を判断。
  5. 起訴された場合は裁判が開かれ、判決が下される。

この間、弁護士のサポートを受けることで、勾留回避・示談成立・不起訴の可能性が高まります。特に初犯で反省の意思を見せている場合は、罰金刑や執行猶予付き判決で済むことが多いです。

逆に、反省が見られない場合や再犯である場合は、厳しい判決が下される傾向にあります。

  早めの相談と誠実な対応が、事件を軽くする最大の鍵です。露出行為は一時の過ちでも、法律上は重大な犯罪として扱われます。社会的な信用を守るためにも、冷静な行動と専門家の力を借りることを忘れないようにしましょう。