日常の中の「もしも」に備える法律ノート

美人局の手口とは?よくある流れや見分け方・対処法

美人局は、出会いをきっかけに相手をだまして金銭を要求する悪質な手口です。昔からある犯罪の一つですが、近年はSNSマッチングアプリを通じて、見知らぬ相手と簡単につながれるようになったことで、被害に遭うきっかけが身近になっています。

「自分は大丈夫」と思っていても、相手が親しげに近づいてきたり、秘密を握られたように感じたりすると、冷静な判断ができなくなることがあります。特に、恋愛感情性的な関係を利用されると、恥ずかしさや後ろめたさから誰にも相談できず、相手の言いなりになってしまう人も少なくありません。

この記事では、美人局の意味や特徴よくある手口典型的な流れ狙われやすい人の特徴についてわかりやすく解説します。被害を防ぐためには、まず美人局がどのように近づき、どのようにお金を取ろうとするのかを知ることが大切です。

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美人局とは?意味や特徴をわかりやすく解説

この章では、美人局という言葉の意味や、恐喝・詐欺との違い、SNS時代に増えている背景を解説します。仕組みを知ることで、怪しい誘いに気づきやすくなるでしょう。

美人局の意味と読み方

美人局は「つつもたせ」と読みます。一般的には、女性が男性を性的な関係恋愛関係に誘い、その後に共犯者が現れて金銭を脅し取る手口を指します。

たとえば、女性と会ってホテルに行ったあと、突然「彼氏」「夫」「兄」などを名乗る人物が現れ、

  • 「人の女に手を出したな」
  • 「家庭を壊した責任を取れ」

などと責め立てるケースがあります。そこで示談金慰謝料の名目で、お金を要求される流れが典型的です。

ただし、最近の美人局は昔ながらの形だけではありません。相手が未成年を名乗ったり、写真動画を撮られて脅されたり、SNSのやり取りを証拠のように見せられたりすることもあります。

美人局は単なる恋愛トラブルではなく、金銭を奪うことを目的とした犯罪的な行為です。相手に非があるように思わされても、脅しや強い要求に従う必要はありません。

美人局と恐喝・詐欺の違い

美人局は、状況によって恐喝詐欺にあたる可能性があります。恐喝とは、相手を脅してお金や物を出させる行為です。一方、詐欺は相手をだましてお金や財産を取る行為を指します。

美人局の場合、最初は好意があるように見せかけて近づくため、だましの要素があります。その後、共犯者が現れて

  • 「警察に言う」
  • 「会社にばらす」
  • 「家族に知らせる」

などと脅すため、恐喝の要素も含まれることが多いです。

つまり、美人局は詐欺恐喝が組み合わさったような手口だと考えるとわかりやすいでしょう。はじめは優しく近づいて安心させ、逃げにくい状況を作ってから強い言葉で支払いを迫るのが特徴です。

被害者は「自分にも落ち度があるのでは」と感じやすいですが、相手が計画的に金銭を取ろうとしているなら話は別です。怖いからといってその場で支払うと、追加の要求につながるおそれがあります。

昔からある犯罪手口がSNSで増加している

美人局は新しい犯罪ではありません。昔から、

  • 飲食店
  • 繁華街
  • 出会いの場

などで行われてきた手口です。しかし現在は、出会いの入口が街中だけでなく、スマートフォンの画面上にも広がっています。

SNSでは、相手の本名や年齢、住所、交友関係がはっきりしないまま会話が始まります。プロフィール写真や投稿内容だけで魅力的な人物に見えても、その情報が本物とは限りません。

また、DMで個別にやり取りできるため、周囲に知られず関係が進みやすい面もあります。誰にも見られていないと思って油断すると、相手のペースに巻き込まれやすくなるのではないでしょうか。

特に、短期間で会おうとする相手や、すぐに性的な話題へ進めようとする相手には注意が必要です。出会って間もない相手が急に距離を縮めてくる場合、裏に別の目的がある可能性も考えておきましょう。

マッチングアプリやSNSで発生しやすい理由

マッチングアプリやSNSで美人局が発生しやすい理由は、相手の正体を確認しにくいからです。プロフィールには

  • 年齢
  • 職業
  • 写真

などが表示されていますが、それらが本当かどうかは簡単にはわかりません。

また、アプリやSNSでは「会うこと」を前提にやり取りが進む場合も多く、知らない相手と短期間で距離が近くなりやすい特徴があります。相手から好意的な言葉をかけられると、警戒心がゆるみやすくなる人もいるでしょう。

さらに、メッセージのやり取りが残る点も悪用されることがあります。何気なく送った言葉や写真を切り取られ、「証拠がある」「これを家族に見せる」などと脅されるケースも考えられます。

オンライン上の出会いでは、相手が見せている情報だけを信じすぎないことが大切です。親しくなる前に個人情報を教えたり、人目の少ない場所で会ったりするのは避けた方が安全でしょう。

美人局が行われる主な目的

この章では、美人局を行う側が何を目的にしているのかを解説します。目的を知ると、相手の不自然な言動や要求に気づきやすくなります。

金銭を脅し取るため

美人局のもっとも大きな目的は、金銭を脅し取ることです。相手は恋愛感情や性的な関係を利用し、被害者が人に相談しにくい状況を作ってからお金を要求します。

よくあるのは、

  • 「この場を収めたいなら金を払え」
  • 「家族や会社に知られたくないなら示談にしろ」

といった言い方です。被害者が焦っているほど、相手は強い口調で支払いを迫ってくるでしょう。

金額は数万円の場合もあれば、数十万円、場合によってはそれ以上を求められることもあります。最初は払える金額に見せかけ、あとから追加で請求してくるケースもあります。

一度でも支払うと「この人は脅せば払う」と判断され、要求が終わらない危険があります。怖くても、その場で安易に現金を渡さないことが重要です。

示談金や慰謝料名目でお金を要求するため

美人局では、単に「金を出せ」と言うのではなく、示談金慰謝料という言葉を使ってお金を要求することがあります。法律のような言葉を出されると、多くの人は「払わないと大変なことになる」と感じてしまうものです。

たとえば、

  • 「妻がいるのに関係を持ったから慰謝料を払え」
  • 「未成年に手を出したから示談しろ」
  • 「警察沙汰にしない代わりに金を払え」

といった言い方が考えられます。相手は、被害者の不安や知識不足につけ込んでくるのです。

しかし、示談金や慰謝料は本来、冷静な話し合いや法的な手続きを通じて決まるものです。その場で怒鳴られたり、ATMに連れて行かれたりして支払うものではありません。

相手が本当に法的な請求をしたいなら、弁護士を通じた書面など正式な手順を取るのが自然です。突然現れた人物から口頭で高額な支払いを迫られた場合、美人局の可能性を強く疑うべきでしょう。

キャッシュカードや電子決済を利用させるため

近年は、現金だけでなくキャッシュカード電子決済を使わせる手口にも注意が必要です。手持ちの現金が少なくても、ATMで引き出させたり、スマートフォン決済で送金させたりすれば、相手はすぐにお金を得られます。

  • 「今すぐ払えないならATMに行け」
  • 「電子マネーで送れ」
  • 「銀行アプリを開け」

などと言われる場合は、かなり危険な状況です。相手は時間をかけると被害者が冷静になることを知っているため、その場で支払わせようとします。

また、キャッシュカードを預けさせたり、暗証番号を聞き出そうとしたりするケースも考えられます。これは金銭被害がさらに大きくなるおそれがあり、絶対に応じてはいけません。

カード、暗証番号、スマートフォンの決済画面は、どんな理由があっても他人に見せない・渡さないことが大切です。相手がしつこく求めてくるなら、その時点でその場を離れ、警察や信頼できる人に相談しましょう。

個人情報を入手して追加で脅すため

美人局の目的は、その場のお金だけとは限りません。

  • 名前
  • 住所
  • 勤務先
  • 学校名
  • 家族構成
  • SNSアカウント

などの個人情報を手に入れ、あとから追加で脅すこともあります。

たとえば、「会社に連絡する」「家族に写真を送る」「SNSでさらす」と言われると、多くの人は強い恐怖を感じます。相手はその心理を利用し、何度もお金を求めてくる可能性があります。

特に、名刺社員証運転免許証を見せてしまうと、相手に多くの情報を知られてしまいます。アプリのプロフィールに本名や勤務先がわかる情報を書いている場合も、狙われやすくなるでしょう。

美人局は一度きりで終わるとは限らず、個人情報を材料に長く脅される危険があります。初対面や関係の浅い相手には、身元が特定される情報をできるだけ渡さないようにしましょう。

美人局のよくある手口

この章では、実際に使われやすい美人局の手口を具体的に紹介します。どのような誘い方や脅し方があるのかを知っておくと、早い段階で危険を避けやすくなります。

マッチングアプリで誘い出す手口

マッチングアプリでは、恋人探しや出会いを目的にしている人が多いため、美人局の入口として悪用されることがあります。相手は魅力的な写真や親しみやすい文章で近づき、短い期間で会う約束をしようとします。

よくあるのは、メッセージを始めてすぐに

  • 「今日会える?」
  • 「家の近くまで行くよ」
  • 「ホテルでゆっくり話したい」

などと誘ってくる流れです。普通の出会いに見えるため、最初は怪しさに気づきにくいかもしれません。

しかし、初対面なのに密室へ行きたがる、会う場所を相手が一方的に決める、個室や人目の少ない場所を指定する場合は注意が必要です。相手の都合がよすぎる話には、裏がある可能性があります。

マッチングアプリで知り合った相手と会うときは、最初は人目のある場所を選ぶことが基本です。少しでも不自然だと感じたら、無理に会わずにやり取りを止めても問題ありません。

X(旧Twitter)やInstagramで接触する手口

X(旧Twitter)Instagramでは、共通の趣味や投稿への反応をきっかけに、自然な形で接触してくる手口があります。いいねやコメントを何度も送ってきて、親しみを感じさせてからDMへ誘導する流れです。

相手は

  • 「前から気になっていた」
  • 「近くに住んでいる」
  • 「会って話してみたい」

など、特別感のある言葉を使うことがあります。自分に好意を持っているように感じると、警戒心が下がってしまう人もいるでしょう。

また、SNSでは写真や生活の様子を投稿している人も多いため、相手に勤務先や行動範囲を知られる危険があります。何気ない投稿から、住んでいる地域やよく行く店が推測されることもあります。

SNSで急に親しくなろうとする相手には、相手の目的を慎重に見る姿勢が必要です。DMで個人的な話が増えたときほど、個人情報や写真の送信には注意しましょう。

ホテルや自宅に誘導する手口

美人局では、ホテル自宅などの密室に誘導する手口がよく使われます。人目が少ない場所に入ってしまうと、あとから共犯者が現れても助けを求めにくく、相手のペースに巻き込まれやすくなるためです。

たとえば、

  • 「外だと落ち着かない」
  • 「家で飲み直そう」
  • 「少し休みたいだけ」

など、自然に聞こえる理由で個室へ誘われることがあります。最初から強く誘うのではなく、会話の流れで断りにくい空気を作ってくるのが特徴です。

相手の自宅だと思って行った場所が、実は共犯者と待ち合わせている部屋だったというケースも考えられます。また、ホテルに入った直後や出た直後に、彼氏を名乗る人物が現れる流れも典型的です。

初対面や関係の浅い相手と、いきなり密室に行くのは大きなリスクがあります。どれだけ相手が魅力的に見えても、最初は人目のある場所で会い、違和感があればすぐに帰る判断が大切です。

彼氏や夫を名乗る人物が現れる手口

美人局の代表的な手口が、女性と一緒にいる場面で突然、彼氏を名乗る人物が現れる流れです。その人物は怒った様子で近づいてきて、

  • 「俺の女に何をしている」
  • 「結婚しているのにどう責任を取るんだ」

などと強い言葉で責めます。

このとき、被害者は急な出来事に驚き、頭が真っ白になりやすいものです。相手はその動揺を狙い、落ち着いて考える時間を与えずに、すぐお金の話へ進めようとします。

共犯者は体格の大きい人物だったり、威圧的な服装や態度を取ったりすることもあります。暴力をふるわなくても、大声を出す、近距離で詰め寄る、出口をふさぐといった行動だけで、十分に恐怖を感じるでしょう。

本当に交際相手や配偶者がいるかどうかは、その場で確認できないことが多いです。相手の主張をすぐに信じるのではなく、金銭を要求された時点で不自然だと考え、支払いには応じない姿勢を持ちましょう。

不倫や浮気を理由に慰謝料を請求する手口

美人局では、不倫浮気を理由に慰謝料を求める手口もあります。既婚者であることをあとから明かし、「家庭を壊された」「精神的な苦痛を受けた」などと言って、高額な金銭を要求する流れです。

この手口では、法律用語のような言葉を使って被害者を不安にさせることがあります。

  • 「弁護士に相談する」
  • 「裁判になればもっと高くなる」
  • 「今なら示談で終わらせる」

と言われると、早く解決したい気持ちになるかもしれません。

しかし、慰謝料の話は本来、事実関係を確認し、必要であれば専門家を通して進めるものです。その場で怒鳴られながら現金を払ったり、すぐに振り込んだりする必要はありません。

「今払えば終わる」と言われても、その言葉を信じてはいけません。美人局の場合、支払ったあとに「まだ足りない」「別の費用がある」と追加で請求されるおそれがあります。

警察に通報すると脅して金銭を要求する手口

「警察に通報する」と脅してお金を要求するのも、美人局でよくある手口です。相手は

  • 「犯罪になる」
  • 「逮捕される」
  • 「人生が終わる」

などと大げさな言葉を使い、被害者を追い詰めます。

もちろん、本当に違法な行為があった場合は別ですが、相手が金銭を目的として話を進めているなら、脅しの可能性があります。警察という言葉を出されると怖くなりますが、だからといって相手にお金を渡す必要はありません。

むしろ、脅されて金銭を要求されているなら、被害者側が警察に相談すべき状況です。相手が「警察に言うぞ」と言いながら、その一方で「金を払えば黙っていてやる」と言う場合は、矛盾があります。

警察への通報を口実に金銭を迫られたら、その場で支払わず、会話の内容や相手の情報を残して相談することが大切です。怖くても一人で抱え込まないようにしましょう。

写真や動画を利用して脅迫する手口

近年は、写真や動画を使った脅迫にも注意が必要です。相手が会っている様子や親密な場面を撮影し、

  • 「家族に送る」
  • 「会社にばらす」
  • 「SNSに投稿する」

などと脅すことがあります。

また、実際には撮影していなくても、「証拠はある」と言って不安をあおる場合もあります。被害者が確認できない状況を利用し、焦らせてお金を払わせようとするのです。

さらに、事前に送った顔写真や個人的な画像が悪用されるケースも考えられます。SNSやアプリのメッセージで軽い気持ちで送った写真が、あとから脅しの材料になることもあるでしょう。

写真や動画を使って金銭を要求された場合、それは脅迫にあたる可能性があります。相手の要求に応じる前に、画面のスクリーンショットやアカウント情報を保存し、警察や弁護士などに相談することが重要です。

美人局の典型的な流れ

この章では、美人局がどのような順番で進むのかを解説します。流れを事前に知っておくと、途中で違和感に気づき、被害を避けやすくなります。

SNSやマッチングアプリで知り合う

美人局は、SNSマッチングアプリで知り合うところから始まることが多くあります。相手は魅力的な写真や優しい言葉を使い、自然な出会いのように見せかけて近づいてきます。

最初のやり取りでは、相手はとても感じがよく、こちらの話に合わせてくれることが多いでしょう。趣味が合うふりをしたり、住んでいる地域が近いと言ったりして、親近感を持たせます。

しかし、やり取りを始めてすぐに会おうとする場合は注意が必要です。普通の出会いでも早く会いたい人はいますが、相手が場所や時間を一方的に決めたがるなら、警戒した方がよいでしょう。

出会ったばかりの相手が急に距離を縮めてくるときは、好意だけでなく別の目的がないか冷静に見ることが大切です。焦らず、相手の言動に矛盾がないか確認しましょう。

短期間で親密な関係を演出する

美人局では、短期間で親密な関係を演出することがあります。相手は

  • 「運命を感じた」
  • 「あなたといると安心する」
  • 「早く会いたい」

など、強い好意を示す言葉を使ってきます。

このような言葉をかけられると、自分だけが特別に選ばれたように感じる人もいるでしょう。しかし、まだ相手をよく知らない段階で強い好意を示してくる場合、相手が感情を利用している可能性があります。

また、会う前から性的な話題を出したり、写真を送るよう求めたりすることもあります。相手は被害者の反応を見ながら、どこまで誘導できるかを試しているのかもしれません。

本当に誠実な相手なら、こちらの不安やペースを無視して急がせることは少ないはずです。違和感があるのに「断ったら嫌われるかも」と思って進めてしまうと、危険な状況に近づいてしまいます。

ホテルや個室に誘導される

やり取りが進むと、相手はホテル個室自宅など、人目の少ない場所へ誘導しようとすることがあります。美人局では、周囲に助けを求めにくい場所へ連れて行くことで、被害者を逃げにくい状況に置こうとします。

誘い方は強引とは限りません。

  • 「少しだけ休みたい」
  • 「静かな場所で話したい」
  • 「人が多いところは苦手」

など、自然に聞こえる理由を使うこともあります。そのため、最初は危険だと気づきにくいでしょう。

しかし、初対面や関係が浅い相手が密室に行きたがる場合は、警戒すべきサインです。特に、相手が場所を細かく指定してきたり、こちらの希望を聞かずに移動させようとしたりするなら注意が必要です。

美人局の多くは、被害者が一人になり、周囲の目が届きにくくなったところで本格的に始まります。少しでも不安を感じたら、その場の雰囲気に流されず、明るく人の多い場所へ移動しましょう。

共犯者が突然現れて因縁をつける

ホテルや個室に入ったあと、またはその場所を出た直後に、共犯者が突然現れることがあります。彼氏、夫、兄、友人、保護者などを名乗り、怒った様子で被害者に詰め寄るのが典型的な流れです。

相手は

  • 「どう責任を取るんだ」
  • 「未成年だと知っていたのか」
  • 「家庭を壊された」

など、強い言葉を使ってきます。急に責められると、冷静に反論する余裕がなくなり、相手の話をそのまま信じてしまう人もいるでしょう。

このとき、女性側も泣いたり、怖がったふりをしたり、被害者のような態度を取ることがあります。共犯者と役割を分けることで、被害者に「自分が悪いことをしたのかもしれない」と思わせるのです。

突然現れた人物がすぐに金銭の話を始める場合、美人局の可能性は高いと考えられます。相手の勢いに押されて謝罪や支払いを約束せず、まずは安全な場所に移動することを優先しましょう。

示談金や慰謝料の支払いを求められる

共犯者が現れたあと、多くの場合は示談金慰謝料の支払いを求められます。「警察に行かない代わりに払え」「家族に知らせない代わりに示談にしろ」など、被害者が困る条件を出してくるのが特徴です。

金額はその場の雰囲気で決められることもあります。相手は

  • 被害者の服装
  • 職業
  • 持ち物
  • 会話の内容

などから支払い能力を見て、払えそうな金額をふっかけてくる場合があります。

また、「今決めないと大変なことになる」と急がせるのもよくある手口です。考える時間を与えず、恐怖や焦りの中で判断させることで、冷静な相談や確認をさせないようにします。

示談金や慰謝料という言葉を出されても、その場で支払いを決める必要はありません。本当に法的な話であれば、書面や専門家を通じて進めるのが通常であり、路上や個室で現金を渡すよう迫られるのは不自然です。

その場で現金や振込を要求される

美人局では、被害者が冷静になる前にお金を取るため、その場で現金や振込を要求することがあります。手持ちがないと言うと、ATMコンビニに連れて行こうとしたり、スマートフォンで送金させようとしたりします。

相手は

  • 「逃げる気か」
  • 「今払わないなら会社に行く」
  • 「家族に電話する」

など、さらに強い言葉を使うかもしれません。これは、被害者を怖がらせて判断力を奪うための圧力です。

この段階で支払ってしまうと、相手に個人情報や口座情報を知られる危険もあります。さらに、「まだ足りない」「別の人にも迷惑がかかった」などと言われ、追加請求につながることも考えられます。

その場でお金を渡す、振り込む、電子決済で送るといった行動は避けるべきです。危険を感じる場合は、近くの店や駅、交番など人目のある場所へ移動し、すぐに第三者へ助けを求めましょう。

美人局のターゲットになりやすい人の特徴

この章では、美人局のターゲットにされやすい人の特徴を解説します。自分に当てはまる部分を知っておくことで、危険な誘いに対する備えがしやすくなります。

出会いを急いでいる人

出会いを急いでいる人は、美人局のターゲットになりやすい傾向があります。恋人がほしい、寂しさを埋めたい、早く誰かと親しくなりたいという気持ちが強いと、相手の不自然な点を見落としやすくなるためです。

相手が急に好意を示してきても、「チャンスを逃したくない」と思うと、深く確認せずに会ってしまうことがあります。特に、長い間出会いがなかった人ほど、相手からの積極的な誘いを特別なものに感じやすいでしょう。

しかし、出会いを急ぐ気持ちは相手に見抜かれることがあります。美人局を行う側は、早く関係を進めたい人ほど誘導しやすいと考え、甘い言葉や魅力的な写真で近づいてくるのです。

出会いの場では、急ぐほど判断が甘くなりやすいことを覚えておきましょう。相手が本当に信頼できる人かどうか、時間をかけて見極める姿勢が被害を防ぐ第一歩になります。

相手をすぐに信用してしまう人

相手をすぐに信用してしまう人も、美人局に狙われやすいです。やさしい言葉やきれいな写真、丁寧なメッセージだけで「この人は大丈夫」と判断してしまうと、危険な相手を見抜きにくくなります。

もちろん、人を信じること自体は悪いことではありません。ただ、ネット上の出会いでは、相手が見せている情報が本物かどうかを確かめにくいという前提があります。名前や年齢、住んでいる場所を偽ることも簡単です。

美人局を行う側は、最初から怖い態度を取るわけではありません。むしろ、安心させるために優しく接し、相談に乗るふりをし、被害者の警戒心を少しずつ下げていきます。

会ったばかり、知り合ったばかりの相手を完全に信用しないことは、自分を守るために必要な距離感です。疑いすぎる必要はありませんが、大事な情報やお金につながる行動は慎重に判断しましょう。

秘密を知られたくない人

秘密を知られたくない人は、美人局の脅しに弱くなりやすいです。たとえば、既婚者であること、恋人がいること、職場に知られたくない出会いであることなどがあると、相手の「ばらす」という言葉に強い恐怖を感じます。

美人局を行う側は、被害者が隠したいことを探ります。会話の中で勤務先や家族の話を聞き出したり、SNSから人間関係を調べたりして、脅しの材料に使おうとします。

  • 「家族に言う」
  • 「会社に連絡する」
  • 「SNSに投稿する」

と言われると、早く終わらせたい気持ちから支払ってしまう人もいるでしょう。しかし、一度支払えば秘密が守られるとは限りません。

秘密を握られたように感じても、相手の要求に従うほど状況が悪くなることがあります。恥ずかしさから一人で抱え込まず、信頼できる第三者や専門機関に相談することが大切です。

断ることが苦手な人

断ることが苦手な人は、相手のペースに乗せられやすい傾向があります。強く誘われると嫌だと言えなかったり、場の空気を壊したくないと思ったりして、本当は不安なのに会ってしまうことがあるでしょう。

美人局では、相手が

  • 「少しだけだから」
  • 「もう近くまで来ている」
  • 「断られたら悲しい」

など、罪悪感を刺激する言葉を使う場合があります。やさしい人ほど、相手を傷つけたくないと感じてしまうかもしれません。

しかし、自分の安全を守るための断りは、相手に悪いことではありません。むしろ、違和感があるのに流されてしまう方が、あとで大きなトラブルにつながる危険があります。

不安を感じたときは、理由を細かく説明せずに断っても問題ありません。「今日は帰ります」「会うのはやめます」と短く伝え、しつこい相手とは連絡を切る勇気を持ちましょう。

一人でトラブルを解決しようとする人

美人局の被害に遭いそうになったとき、一人で解決しようとする人はさらに追い込まれやすくなります。相手は「誰にも言うな」「相談したらもっと大ごとにする」などと言い、被害者を孤立させようとすることがあります。

しかし、一人で相手と向き合うと、冷静な判断が難しくなります。怖さや恥ずかしさが先に立ち、相手の言葉をそのまま信じてしまったり、支払えば終わると思い込んだりすることもあるでしょう。

美人局を行う側は、被害者が誰かに相談することを嫌がります。第三者が入ると、脅しや不自然な請求が通用しにくくなるからです。

「誰にも言うな」と言われたときほど、誰かに相談するべき状況だと考えてください。家族、友人、警察、弁護士など、信頼できる人に早めに話すことで、被害の拡大を防ぎやすくなります。

高収入で支払い能力があると見られる人

高収入で支払い能力があると見られる人も、美人局のターゲットにされることがあります。相手は

  • 服装
  • 時計
  • 住んでいる地域
  • 職業
  • 会話の内容

などから「お金を持っていそうか」を見ています。

特に、プロフィールに職業年収を詳しく書いている場合は注意が必要です。経営者、医師、士業、大手企業勤務など、収入が高そうに見える情報は、相手にとって狙う理由になる場合があります。

また、お金がある人ほど「少し払えば早く終わる」と考えてしまうことがあります。しかし、美人局ではその考えが危険です。一度払うと、相手はさらに取れると思い、追加で請求してくるかもしれません。

支払い能力があることを見せすぎないことも、自分を守るための対策です。出会いの場では、勤務先や収入、資産、生活レベルがわかる情報を必要以上に出さないようにしましょう。

まとめ|美人局の手口・流れ・見分け方・対処法を理解して被害を防ごう

美人局は、恋愛感情性的な関係を利用して相手を油断させ、あとから共犯者が現れて金銭を要求する悪質な手口です。昔からある犯罪ではありますが、今ではSNSマッチングアプリをきっかけに、誰でも巻き込まれる可能性があります。

よくある流れは、ネット上で知り合い、短期間で親しくなり、ホテル個室に誘導され、そこへ彼氏を名乗る人物が現れて因縁をつけるというものです。その後、

  • 「示談金」
  • 「慰謝料」
  • 「警察に言わないためのお金」

などの名目で、現金や振込を求められます。

美人局を見分けるためには、出会ってすぐに会いたがる、密室へ誘導する、個人情報を聞き出す、性的な話題を急ぐ、第三者の存在を急に出すといったサインに注意することが大切です。少しでも違和感がある場合は、会わない、移動しない、支払わないという判断を取りましょう。

もし現場で脅された場合は、その場でお金を渡さないことが重要です。相手の言葉に従ってATMへ行ったり、電子決済で送金したりすると、追加請求につながるおそれがあります。危険を感じたら、人目のある場所や交番へ移動し、警察や信頼できる人に相談してください。

また、

  • メッセージ
  • アカウント名
  • 電話番号
  • 振込先
  • 脅された内容

などは、できるだけ証拠として残しておきましょう。画面を消したくなる気持ちはわかりますが、あとで相談するときに大切な材料になります。

美人局の被害を防ぐ一番の対策は、怪しい誘いに早く気づき、一人で抱え込まないことです。恥ずかしさや不安があっても、脅してお金を取ろうとする相手の要求に応じる必要はありません。

SNSマッチングアプリは便利な出会いの場ですが、相手の正体が見えにくい場所でもあります。楽しい出会いを守るためにも、相手をすぐに信用しすぎず、人目のある場所で会い、違和感を覚えたら距離を置くことを心がけましょう。

美人局は、知識があれば避けられる可能性が高くなります。手口や流れを理解し、危ない場面では立ち止まることが、自分の生活やお金、信用を守るための大切な行動ではないでしょうか。