日常の中の「もしも」に備える法律ノート

温泉で盗撮|適用される法律・刑罰・実際の事例

温泉銭湯旅館の大浴場などで盗撮をした場合、軽い悪ふざけでは済まされません。

入浴中の姿は、他人に見られたくない極めて私的な姿であり、無断で撮影すれば重大な犯罪として扱われる可能性があります。

近年はスマートフォン小型カメラの性能が上がり、盗撮が発覚しにくいと考える人もいるかもしれません。しかし、施設の防犯体制利用者の通報デジタル機器の解析によって発覚するケースは少なくありません。

この記事では、温泉で盗撮をした場合に逮捕される可能性、適用される法律、刑罰、事件化した後の流れをわかりやすく解説します。自分や家族が関係してしまった場合に、何が問題になるのかを整理するためにも、正しい知識を持っておくことが大切です。

刑事事件相談弁護士ほっとラインで
刑事事件に強い弁護士を探す
逮捕・勾留・示談交渉・不起訴獲得など、
刑事事件の解決実績が豊富な弁護士を地域別に検索できます。
詳しくはこちら →

温泉で盗撮すると逮捕される可能性はある?

温泉で盗撮をした場合、現場で発覚してそのまま逮捕されることもあれば、後日の捜査によって逮捕されることもあります。

撮影した画像や動画が残っている場合、証拠として扱われる可能性が高く、本人が軽い気持ちだったと説明しても責任を免れるとは限りません。

温泉での盗撮は、被害者の尊厳やプライバシーを大きく傷つける行為であり、刑事事件として扱われる可能性がある重大な問題です。

逮捕されるかどうかは、証拠の有無、逃亡や証拠隠滅のおそれ、被害の内容、被害者の年齢などによって判断されます。

現行犯逮捕されるケース

温泉での盗撮がその場で見つかった場合、現行犯逮捕される可能性があります。たとえば、脱衣所や浴場でスマートフォンを不自然に向けていた、カメラを隠していた、他の利用者が撮影音や動作に気付いたといった場面です。

現行犯逮捕は、犯行の直後で犯罪をしたことが明らかな場合に行われます。温泉施設のスタッフや被害者、周囲の利用者が取り押さえ、その後に警察へ引き渡される流れになることもあります。

温泉施設では、脱衣所や浴場への撮影機器の持ち込みを禁止していることが多く、スマートフォンを操作しているだけでも不審に見られやすい場所です。特にカメラのレンズが他人の身体に向いていた場合、単なる操作ミスとは受け取られにくいでしょう。

撮影データが端末に残っていれば、盗撮の証拠として重く見られる可能性があります。その場で削除したとしても、デジタル解析によって復元されることがあるため、削除すれば発覚しないという考えは非常に危険です。

後日逮捕されるケース

温泉での盗撮は、その場で発覚しなかったとしても、後日逮捕される可能性があります。たとえば、被害者が不審な行動に気付き、施設や警察に相談した後、防犯カメラ入館記録宿泊者情報などから人物が特定されるケースです。

浴場内には防犯カメラが設置されていないことが一般的ですが、受付、廊下、出入口、駐車場などには防犯カメラがある場合があります。これらの映像から、盗撮が疑われる時間帯に出入りしていた人物が調べられることもあります。

また、盗撮画像をインターネット上に投稿したり、他人に送信したりしたことで事件が発覚する場合もあります。画像に写り込んだ施設の特徴投稿履歴通信記録などから、捜査が進むことも考えられます。

後日逮捕では、警察が証拠を集めたうえで裁判官に逮捕状を請求し、通常逮捕される流れになります。本人が忘れたころに警察が自宅や勤務先に来ることもあり、社会生活への影響は小さくありません。

逮捕されなくても書類送検される可能性

温泉で盗撮をした場合、必ず逮捕されるわけではありません。逃亡のおそれが低い、証拠隠滅の可能性が小さい、本人が事実を認めているといった事情がある場合には、逮捕されずに在宅事件として捜査が進むこともあります。

ただし、逮捕されなかったからといって、事件が終わったわけではありません。警察が捜査を行い、証拠や供述をまとめたうえで、事件を検察官に送ることがあります。これが一般に「書類送検」と呼ばれる手続きです。

書類送検されると、検察官が起訴するか不起訴にするかを判断します。つまり、身柄を拘束されていなくても、刑事処分を受ける可能性は残っているということです。

注意

「逮捕されていないから大丈夫」と考えるのは危険です。盗撮事件では、被害者の処罰感情示談の有無、撮影内容余罪の有無などが処分に影響するため、早い段階で対応を考える必要があります。

温泉での盗撮に適用される法律とは

温泉での盗撮には、主に性的姿態撮影等処罰法、建造物侵入罪、児童ポルノ禁止法などが関係します。

どの法律が適用されるかは、撮影した場所、撮影対象、画像や動画の内容、施設への立ち入り方などによって変わります。

以前は各都道府県の迷惑防止条例で処罰されることが多い行為でしたが、現在は性的な姿を無断で撮影する行為について、全国共通の法律で処罰される場面が増えています。

性的姿態撮影等処罰法

温泉での盗撮で中心になりやすいのが、性的姿態撮影等処罰法です。この法律は、正当な理由なく、人の性的な姿態を撮影する行為などを処罰するために作られました。

入浴中の裸の姿や、脱衣所で衣服を脱いでいる姿は、他人に見られることを通常望まない姿です。そのため、本人の同意なく撮影すれば、この法律に違反する可能性が高いと考えられます。

スマートフォンで撮影した場合だけでなく、小型カメラ、ペン型カメラ、隠しカメラなどを使った場合も対象になり得ます。撮影方法が巧妙であればあるほど、計画性があると判断されることもあるでしょう。

注意

実際に撮影データが保存されていなくても、撮影しようとした行為自体が問題になる場合があります。また、撮影した画像や動画を他人に提供したり、インターネット上に公開したりすれば、さらに重い責任を問われる可能性があります。

建造物侵入罪

温泉で盗撮をするために施設内へ入った場合、建造物侵入罪が成立する可能性もあります。建造物侵入罪とは、正当な理由なく他人が管理する建物に入る行為を処罰する犯罪です。

温泉施設はお金を払えば誰でも利用できる場所に見えますが、利用目的には当然の範囲があります。入浴や休憩のために入ることは認められていても、盗撮目的で入ることまで施設側が許しているわけではありません。

特に、異性の脱衣所や浴場に忍び込んだ場合には、建造物侵入罪が問題になりやすくなります。たとえ撮影に失敗したとしても、不正な目的で立ち入った事実があれば、別の犯罪として処罰される可能性があるのです。

また、従業員専用エリアや立入禁止区域に入ってカメラを設置した場合も、建造物侵入罪が成立しやすいといえます。温泉施設のルールを破っただけではなく、刑事事件として扱われる点に注意が必要です。

児童ポルノ禁止法が適用されるケース

温泉で盗撮した相手が18歳未満の児童だった場合、児童ポルノ禁止法が問題になる可能性があります。児童の裸や性的な姿が写った画像や動画は、内容によって児童ポルノとして扱われることがあるためです。

児童ポルノ禁止法は、児童を性的な被害から守るための法律です。盗撮した側が「相手の年齢を知らなかった」と主張しても、状況によっては責任を免れないことがあります。

たとえば、家族連れが多い温泉施設、子ども用の脱衣スペース、宿泊施設の大浴場などで撮影をした場合、18歳未満の人が写り込む危険は十分に考えられます。特定の子どもを狙っていなかったとしても、画像の内容によっては重大な問題へ発展しかねません。

児童が写った盗撮画像を保存したり、他人に送ったり、インターネット上に公開したりする行為は、特に厳しく見られます。児童ポルノに関する事件では、社会的な非難も強く、逮捕や起訴に進むリスクが高まる場合があります。

迷惑防止条例との違い

盗撮事件では、以前から各都道府県の迷惑防止条例がよく使われてきました。迷惑防止条例は、公共の場所や乗り物などでのつきまとい、盗撮、痴漢行為などを規制するために、各自治体が定めているルールです。

一方で、性的姿態撮影等処罰法は、国が定めた法律です。都道府県ごとに内容が異なる条例とは違い、全国共通の基準で性的な姿の盗撮行為を処罰できる点に特徴があります。

温泉や脱衣所での盗撮は、条例だけでなく性的姿態撮影等処罰法の対象になる可能性があります。特に、入浴中の裸や着替え中の姿を撮影した場合には、より直接的にこの法律が問題になりやすいでしょう。

ただし、事件の内容によっては、迷惑防止条例が適用されることもあります。たとえば、撮影場所や撮影対象、行為の時期、地域の条例の内容によって判断が変わることがあるため、一律に決まるものではありません。

温泉で盗撮した場合の刑罰・処分

温泉で盗撮をした場合、適用される法律によって刑罰の重さは変わります。

盗撮しただけでなく、施設に不正に立ち入った、18歳未満の児童が写っていた、画像を保存・送信・公開したといった事情があると、処分が重くなる可能性があります。

ここでは、代表的な法律ごとに、どのような刑罰が定められているのかを整理します。

刑罰の内容を知ることで、温泉での盗撮がどれほど重い問題なのかが見えてくるのではないでしょうか。

性的姿態撮影等処罰法による刑罰

性的姿態撮影等処罰法では、正当な理由なく、人の性的な姿態を撮影する行為などが処罰の対象になります。温泉での入浴中の裸や、脱衣所で着替えている姿を無断で撮影した場合、この法律に違反する可能性が高いといえます。

撮影行為については、法定刑として「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」が定められています。拘禁刑とは、以前の懲役や禁錮に代わる刑罰として整理されたもので、身体の自由を奪われる重い刑です。

さらに、撮影した画像や動画を他人に提供した場合、より重い刑罰が問題になることもあります。画像を一人に送っただけでも、被害が広がるおそれがあるため、単なる個人的な保存よりも悪質と判断されやすいでしょう。

盗撮画像をSNSや掲示板、動画サイトなどに投稿した場合、被害者の名誉や生活に長く影響を与えるため、処分が重くなる可能性があります。削除しても完全に回収できないことが多く、被害回復が難しい点も大きな問題です。

建造物侵入罪による刑罰

建造物侵入罪は、正当な理由なく人が管理する建物に入った場合に成立する犯罪です。温泉施設に盗撮目的で入った場合、表面上は利用客として入館していても、立ち入りの目的が不正であるとして問題になることがあります。

建造物侵入罪の刑罰は、「3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金」です。盗撮そのものとは別に、施設の平穏や管理権を害した行為として処罰される点が特徴といえます。

たとえば、異性の脱衣所に入ったり、従業員専用の場所に入り込んでカメラを設置したりした場合は、建造物侵入罪が成立しやすくなります。撮影データが残っていなくても、侵入の事実だけで刑事責任を問われる可能性があるでしょう。

温泉施設側からすれば、盗撮目的の利用者を受け入れる理由はありません。利用料金を支払っていたとしても、犯罪目的での立ち入りは正当化されないと考えるべきです。

児童ポルノ禁止法違反による刑罰

温泉で盗撮した画像や動画に18歳未満の児童が写っていた場合、児童ポルノ禁止法違反が問題になる可能性があります。児童の裸や性的な部位が写っている画像を作成、所持、提供、公然陳列した場合などには、重い刑罰の対象になり得ます。

児童ポルノを製造した場合の刑罰は、「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」とされています。また、不特定多数の人に見られる状態にした場合や、他人に提供した場合には、さらに重い処罰が問題になることがあります。

温泉では、子どもが家族と一緒に利用していることも珍しくありません。そのため、成人を撮影するつもりだったとしても、児童が写り込んでしまえば、より深刻な事件として扱われるおそれがあります。

18歳未満の児童が写った盗撮画像は、保存しているだけでも重大な問題に発展する可能性があります。「すぐに消すつもりだった」「誰にも見せていない」という説明だけで、責任を免れられるとは限りません。

民事上の損害賠償を請求される可能性

温泉で盗撮をした場合、刑事事件として処罰されるだけでなく、被害者から民事上の損害賠償を請求される可能性もあります。刑事責任は国が加害者に刑罰を科す手続きですが、民事責任は被害者が受けた精神的苦痛や損害を金銭で賠償させる手続きです。

盗撮被害では、慰謝料が中心になります。入浴中や着替え中の姿を撮影された被害者は、大きな不安や恥ずかしさを感じるだけでなく、その画像が広がるのではないかという恐怖を長く抱えることがあります。

被害者が仕事や学校に行きにくくなった、通院が必要になった、温泉や更衣室を利用できなくなったといった事情があれば、損害額が大きくなる可能性もあります。画像が外部に流出していれば、被害回復はさらに難しくなるでしょう。

注意

示談金慰謝料は、刑事処分とは別に発生する可能性があります。罰金を支払ったからといって、被害者への賠償責任が当然になくなるわけではありません。刑事事件と民事上の請求は、分けて考える必要があります。

温泉で盗撮した場合に逮捕されるまでの流れ

温泉での盗撮事件は、発覚した瞬間から施設、被害者、警察が関わる大きな問題になります。

現場で見つかる場合もあれば、後日の通報や捜査によって事件化することもあるため、逮捕までの流れを知っておくことは重要です。

ここでは、盗撮が発覚してから警察の捜査が進み、逮捕や送検に至るまでの一般的な流れを解説します。

実際の流れは事件ごとに異なりますが、大まかな進み方を理解しておくと、どの段階で何が問題になるのかを把握しやすくなります。

施設関係者や被害者に発覚する

温泉での盗撮は、被害者本人や周囲の利用者、施設スタッフが不審な動きに気付くことで発覚することがあります。たとえば、スマートフォンを浴場や脱衣所で不自然に持っている、タオルや荷物の中にカメラを隠している、特定の人の近くを何度も移動しているといった行動です。

温泉施設では、利用者が安心して入浴できる環境を守る必要があります。そのため、盗撮が疑われる行為があれば、スタッフが声をかけたり、事務所で事情を聞いたりすることがあります。

被害者がその場で強い不安や怒りを感じ、すぐに警察への通報を求める場合もあります。入浴中や着替え中の姿を撮影された疑いがある以上、施設側も慎重に対応せざるを得ません。

この段階で端末の中に盗撮画像が見つかると、事件化する可能性は一気に高まります。本人が削除しようとしたり、端末を隠そうとしたりすれば、証拠隠滅のおそれがあると見られ、逮捕の判断に影響することもあります。

警察による証拠収集と事情聴取

盗撮の疑いで警察に通報されると、警察官が現場に来て事情を確認します。被害者、目撃者、施設スタッフ、疑われている本人から話を聞き、いつ、どこで、どのような行為があったのかを整理していきます。

証拠として重要になるのは、スマートフォンカメラなどの撮影機器保存されている画像動画施設の防犯カメラ映像入館記録目撃者の証言などです。浴場内に防犯カメラがなくても、施設の出入口や廊下の映像が人物特定に使われることがあります。

警察は、必要に応じて端末を押収し、中身を調べることがあります。本人が画像を消したつもりでも、復元できる場合があり、過去の盗撮画像や別の被害者の画像が見つかれば、余罪の捜査へ広がる可能性もあるでしょう。

注意

事情聴取では、盗撮の目的、撮影した相手、撮影回数、画像の保存や送信の有無などが確認されます。ここであいまいな説明をしたり、事実と異なる話をしたりすると、反省していない、証拠を隠そうとしていると受け取られるおそれがあります。

現行犯逮捕または通常逮捕

盗撮がその場で見つかり、犯行が明らかだと判断されれば、現行犯逮捕される可能性があります。たとえば、撮影直後のスマートフォンに入浴中の画像が残っていた、被害者や目撃者が犯行をはっきり見ていたといったケースです。

一方、その場では逮捕されなくても、後日の捜査で通常逮捕されることがあります。通常逮捕は、警察が証拠を集めたうえで裁判官に逮捕状を請求し、その逮捕状にもとづいて行われる逮捕です。

通常逮捕では、自宅や勤務先に警察が来ることもあります。そのため、家族や職場に事件が知られる可能性があり、刑事処分とは別に社会生活への影響も大きくなりがちです。

注意

逮捕されるかどうかは、犯罪の重さだけでなく、逃亡のおそれ証拠隠滅のおそれも考慮されます。端末のデータを消した、被害者に接触しようとした、身元がはっきりしないといった事情があると、逮捕の可能性が高まることがあります。

送検・勾留・起訴の流れ

逮捕された場合、警察は原則として一定の時間内に事件を検察官へ送ります。この手続きを送検といいます。送検後は、検察官が本人から話を聞き、証拠や被害状況を確認したうえで、さらに身柄を拘束する必要があるかを判断します。

検察官が勾留を請求し、裁判官が認めると、原則として10日間身柄を拘束されることがあります。さらに必要がある場合には延長され、合計で20日間程度、外に出られない状態が続くこともあります。

勾留中は、家族や職場との連絡が難しくなり、仕事や学校にも大きな影響が出ます。特に温泉での盗撮事件は、内容が非常に私的で社会的な非難も強いため、周囲に知られたときのダメージが大きくなりやすいでしょう。

その後、検察官は起訴するか、不起訴にするかを決めます。起訴されれば刑事裁判略式手続に進み、有罪になった場合には罰金刑拘禁刑などの刑罰を受けることになります。

温泉で盗撮した場合に前科が付くケース

温泉で盗撮をした場合でも、必ず前科が付くわけではありません。

前科が付くかどうかは、最終的に刑事裁判で有罪判決を受けたか、または略式命令で罰金刑などが確定したかによって変わります。

この章では、不起訴、略式命令、正式裁判、示談の影響について整理します。

前科の有無は、就職、資格、勤務先での処分、家族への影響にも関わるため、事件後の対応を考えるうえで重要なポイントです。

不起訴処分なら前科は付かない

検察官が事件を起訴しないと判断した場合、不起訴処分になります。不起訴になれば、刑事裁判にかけられず、有罪判決も出ないため、前科は付きません。

不起訴になる理由には、犯罪の証拠が足りない場合、嫌疑が十分ではない場合、犯罪の事実はあるもののさまざまな事情を考えて起訴しない場合などがあります。盗撮事件では、反省の深さ、被害者への謝罪、示談の成立、再犯防止策などが考慮されることがあります。

ただし、不起訴になったとしても、逮捕歴や捜査を受けた事実が完全になかったことになるわけではありません。警察や検察の記録には残るため、同じような行為を再び行った場合には、過去の経緯として重く見られる可能性があります。

Point

前科を避けたい場合には、早い段階で被害者対応再犯防止に取り組むことが重要です。事件が大きくなってから慌てて動くよりも、発覚直後から誠実に対応するほうが、処分に良い影響を与える可能性があります。

略式命令で罰金刑になるケース

盗撮事件では、正式な公開裁判ではなく、略式手続によって罰金刑が科されることがあります。略式手続とは、比較的軽い事件について、書面審理で罰金などを決める手続きです。

略式命令は、公開の法廷に立たずに済む場合があるため、本人にとって負担が軽いように見えるかもしれません。しかし、罰金刑が確定すれば有罪になったことに変わりはなく、前科が付く点には注意が必要です。

温泉での盗撮が初犯で、被害者との示談が成立していない、または悪質性が一定程度あると判断された場合、罰金刑で処理される可能性があります。罰金を支払えば手続きが終わるとしても、将来の社会生活に影響が残ることがあります。

「罰金で済んだ」という言葉だけで軽く考えるべきではありません。罰金刑も刑罰であり、前科として扱われます。仕事上の資格や職場の規定によっては、報告義務や処分の対象になることもあるでしょう。

正式裁判で有罪判決を受けるケース

事件の内容が悪質だと判断された場合や、本人が事実を争っている場合、正式裁判に進むことがあります。正式裁判では、公開の法廷で証拠や供述が確認され、裁判官が有罪か無罪か、どのような刑にするかを判断します。

温泉での盗撮で正式裁判になりやすいケースとしては、複数の被害者がいる場合、盗撮を何度も繰り返していた場合、児童が被害に含まれる場合、画像をインターネット上に公開した場合などが考えられます。

有罪判決を受けると、罰金刑、拘禁刑、執行猶予付き判決、実刑判決などが言い渡される可能性があります。実刑になれば刑務所などに収容されるため、仕事や家庭への影響は非常に大きくなります。

また、正式裁判は公開されるのが原則です。事件の内容によっては報道される可能性もあり、刑事罰だけでなく、社会的信用を失うリスクもあります。

示談成立が処分に影響することがある

盗撮事件では、被害者との示談が処分に影響することがあります。示談とは、加害者が被害者に謝罪し、慰謝料などを支払うことで、民事上の紛争を解決する合意です。

示談が成立している場合、検察官は被害者の処罰感情が一定程度やわらいだと判断することがあります。その結果、不起訴処分罰金額の判断に影響する可能性があります。

ただし、示談をすれば必ず不起訴になるわけではありません。盗撮の内容が悪質であったり、児童が被害に含まれていたり、画像が拡散されていたりする場合には、示談があっても起訴されることがあります。

注意

被害者に直接連絡して示談を求める行為は、かえって不安や怒りを強めるおそれがあります。接触の仕方を誤ると、証拠隠滅や口止めと受け取られる可能性もあるため、慎重な対応が必要です。

まとめ|温泉で盗撮すると逮捕される?適用される法律・刑罰・実際の事例を解説

温泉で盗撮をすると、現行犯逮捕後日逮捕書類送検などの形で刑事事件になる可能性があります。入浴中や着替え中の姿を無断で撮影する行為は、被害者の尊厳とプライバシーを深く傷つける重大な犯罪行為です。

適用される法律としては、性的姿態撮影等処罰法建造物侵入罪児童ポルノ禁止法迷惑防止条例などが考えられます。特に温泉や脱衣所での盗撮は、性的姿態撮影等処罰法の対象になりやすく、撮影行為だけでも重い刑罰が定められています。

また、盗撮目的で施設へ入った場合には建造物侵入罪が成立する可能性があり、18歳未満の児童が写っていれば児童ポルノ禁止法違反としてさらに重く扱われることもあります。画像を保存、送信、公開した場合には、被害が広がり、処分が重くなる危険も高まります。

前科が付くかどうかは、不起訴になるか、罰金刑有罪判決が確定するかによって変わります。逮捕されなかった場合でも、書類送検後に起訴される可能性は残るため、軽く考えることはできません。

温泉での盗撮は、発覚すれば本人の人生だけでなく、被害者の心にも長く傷を残す行為です。万が一、事件に関わってしまった場合には、事実を軽く見ず、被害者への謝罪、再犯防止、法的な対応を早い段階で考えることが大切ではないでしょうか。

温泉は、多くの人が安心して体を休めるための場所です。その場所で盗撮をすることは、施設の信頼を傷つけ、利用者全体の安心も壊してしまいます。犯罪になるかどうかだけでなく、人として許されない行為であることを忘れてはいけません。